研修会の冒頭、同連絡会の里見治会長が「今後、どのような方向性で皆様の期待に応えられるかを含め考える場にするとともに、同じベクトルを持てる場となればプレゼンスも高まっていくと思う」と研修会の主旨を述べ、「不正機が出回らないことが一番のベースであり、簡単に裏業者に改ざんできない機械にすることがテーマ。(現行の5号機は)ライトユーザーが離れている現状もあり、お客様から支持の得られる機械を作れるよう行政にお願いしていかなければならない。今日は社会の信任と行政の信頼を得ながら間違いのない機械づくりを行うために、全てのメーカーが意を一つにする一日となることを願いたい」と挨拶。
警察庁生活安全局保安課・廣田耕一課長は「団体の枠を超えた研修で業界の健全化の課題や取り組みを製造業者全体で情報を共有することは意義のあることであり、この画期的な取組みに期待している。健全化には射幸性を抑えた機械の開発と不正機排除の2点が不可欠」と来賓祝辞を述べた。
また、警察庁生活安全局保安課・尾崎浩一課長補佐は(1)シミュレーション試験(2)回胴の演出(3)特定の性能を有する回胴式遊技機の添付書類の記載内容(4)特定の性能を有する回胴式遊技機の添付書類の対象遊技機(5)インターフェースボード2の対応(6)適合率の改善、の6点について説明。保通協での型式試験状況の不適合が多い現状を鑑み、「実質的にARTの性能がありながら、書類にはその性能が記載されていないものもある。実質的にARTの性能を有するものはその全ての内容を明記した書類の添付をして頂きたい」と述べ、「適合率が低いため、予約の混乱を招くこととなっている。少ない回数で型式試験の適合を得られるように、連絡会での情報の共有化と各社における社内検査の徹底を図って頂きたい」と適合率の改善に向けた取り組みを要請した。
研修会では射幸性の抑制と不正対策の2点について日電協の各専門委員(技術委員、実務委員、ゴト対策専門委員)から説明が行われ、射幸性の抑制については特に一昨年12月、今年5月に警察庁から指摘されたART搭載機の例を挙げ、ARTの仕様について米田公昭技術委員長が「低確率ではあるが一回の抽選あるいは多数回の抽選で小役ナビが長時間続く仕様の線引きを日電協、日工組で検討中であり、会員にはその点を十分理解して開発に努めて頂きたい」と会員に呼びかけた。