業界初の本格的なビジネススクール開校へ

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 (株)SANKYO、サミー(株)の業界のトップメーカー2社と、大手商社のフィールズ(株)の計3社が共同出資するパチンコビジネススクールの開校記者会見が10月12日、都内の『赤坂プリンスホテル』で開かれた。

 スクールの名称は「ゲーミング&エンタテインメント ビジネススクール」(東京都渋谷区代々木2〜9〜2久保ビル2F)。3社は設置主体のジー・アンド・イー(株)に共同で出資したもので、ジー社代表取締役社長には元(株)セブンイレブンジャパンの工藤健氏が就任している。資本金は4億5000万円。

 記者会見にはジー社の工藤社長、同社常務でスクールの学校長を務める吉田永氏のほか、出資企業の代表者として、SANKYOの澤井明彦専務、サミーの近藤克哉常務、フィールズの江川正行専務の5名が臨んだが、スクールの設立趣旨について5名の出席者は異口同音に、「パチンコ産業の一層の発展には人材こそが不可欠だ」との認識を表明。同スクールをそうした人材を育てあげる業界初の本格的なビジネススクールに位置づけたい考えを強調していた。

 また会見では、かつてコンピュータが急速な発展を遂げた時代に、産学協同で設立され、その後のIT産業の発展に大きく寄与した「HAL」や「デジタルハリウッド」といっった専門教育機関が度々に引き合いに出されたが、こうした産学協同プロジェクトの成功事例を強く意識していたことも席上、報告された。HALには日立、東芝、NECなど、デジタルハリウッドにはタイトー、ナムコ、関西テレビなどが出資企業として参画していた。

 吉田学校長は、「IT業界のビジネススクールはすでに大学、さらに大学院までと確固たる地位を確立するに至っている。我々も、いずれはエンタテインメント大学まで発展させたい考えだ」と述べた。

 スクールの入学対象者は、「志を持ってこの業界に入りたいという学生。大学で学びながら、それとは別に我々のスクールでも同時に学びたいという現役大学生」(吉田氏)をメインに想定。卒業生にも門戸を広げている。

 一方、カリキュラムのコースは計5つ。パチンコ業界に関するさまざまな知識を習得し、店長あるいは営業部長などパチンコ店経営の中枢部門の人材輩出を目指す「ビジネスマネジメントコース」(定員30名)。パチンコやパチスロの機械開発を学ぶ「商品企画・開発コース」(定員30名)。遊技機のエンタテイメント性に欠かせない液晶のCGデザインを専門とする「CGデザイナーコース」(定員60名)。パチンコ店の経営スキルを広くエンタテインメントの見地から俯瞰できる人材育成を目的とする「経営者育成コース」(定員30名)。さまざまな地域性に応じた店舗企画や既成概念を打ち破るような店舗企画に必要な基礎分野から実践分野までの習得を目指す「店舗プロデューサーコース」(定員30名)が用意されている。

 吉田学校長は、「産学協同で運営している過程で新たに必要となってくるスキルもあると思う。そうなれば当然、コースも増えていくだろう。また最初は東京でのスタートとなるが、大阪、北海道、九州と、スクールの拠点も徐々に拡大させていきたい」と補足した。さらに記者団の質問に答える形で奨学金制度についても説明し、「実はすでに本スクールの卒業生から人材を求めたいとする企業から熱心なアプローチを受けている。奨学金制度はこうした企業の協力のもとで運用されるもの」と述べた。

 質疑応答ではほかに、今後3 社以外から参画を希望する企業への対応について質疑が出たが、これにはSANKYOの澤井専務が答え、「スクールが軌道に乗るまでの当面の間は3 社で運営する方針。その後、本スクールの理念に賛同していただける企業が現れれば、当然、3 社以外に出資企業が増えていく展開になるだろう」と応じた。

 同スクールの開校は11月。第1 期生の受け入れは来年4月からの開始されるが、それまでには学生のための業界セミナーや体験入学を実施する予定。第2期生は10月からで、就学期間は半年間となっている。

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