今年のお盆商戦は8月8日(土)〜8月16日(日)を中心に展開されました。過去4年間の実績と比較しながら、
今年のお盆営業をマクロ的視点で振り返っていきます。(文=中野大輔/メイドインサービス事業戦略部部長)
この記事のポイント
- 稼働・売上・粗利は前年を上回り、平均設定は1.573と4年連続で上昇した。
- お盆直前1カ月比の稼働上昇率は124.4%で、過去4年で最も高くなった。
- 高射幸タイプの稼働・粗利シェアがともに上昇し、一極集中が鮮明になった。
今年のお盆期間は、前年に比べて稼働・売上・粗利のいずれも前年を上回る結果となりました(表①)。特に売上・粗利の伸びが稼働の伸びを上回っており、近年から続く好調な商戦だったといえます。一方で粗利率は13.6%と、前年の13.4%からわずかに上昇しており、稼働促進一辺倒ではなく粗利面にも一定の配慮がなされた営業だったことがうかがえます。

お盆直前1ヵ月との稼働比較では、稼働上昇率が124.4%と過去4年間で最も高くなっています(表②)。事前の新台投入や販促によって集客を最大化する営業方針が年を追うごとに強まっています。

稼働上昇率を後押ししたと考えられるのが、平均設定の推移です。今年の平均設定は1.573と、直近4年で最高水準となりました。4年連続の上昇であり、お盆期間の集客・稼働最大化を狙った営業方針が定着してきたものと考えられます。
稼働を『射幸タイプ別』シェアで見ると(表③)、直前1ヵ月との比較で稼働・粗利シェアともに数値を伸ばしたのは『高射幸タイプ』のみでした。稼働シェアはプラス3.7pt、粗利シェアはプラス4.9ptとともに大きく上昇しており、ユーザーの多くが高射幸帯に期待して大きな差玉獲得を目指したものと推察されます。

一方、『中―高射幸』『中射幸』『低―中射幸』『低射幸』の各タイプはいずれも稼働・粗利シェアともに低下しており、特に『中―高射幸タイプ』の下げ幅(稼働マイナス2.0pt、粗利マイナス1.7pt)が目立ちました。前年は『中射幸タイプ』の粗利シェアのみが唯一上昇していましたが、今年は高射幸タイプへの一極集中がより鮮明な結果となりました。ユーザーの射幸性への期待がより強まっている市場環境がうかがえます。
今後ですが、秋は業績が伸び悩む傾向にあり、店舗力が問われる重要な時期です。話題性のある新台の的確な評価・導入に加え、既存機の再評価とデータ精査を通じて店舗総合力の最大化が求められます。守りではなく攻めの姿勢で、年末年始商戦への布石を打ち始めましょう。
下半期の機種構成で押さえたい点
高単価AT機だけに依存せず、中射幸帯機、BT機、ジャグラーシリーズを組み合わせ、多様なユーザー層の受け皿を確保することが重要です。
◆プロフィール
中野 大輔㈱メイドインサービス 事業戦略部 部長
大手メーカーで約20年間勤務。開発職・マーケティングの経験を活かし、現職では全国ホール企業の経営/営業支援および複数遊技機メーカーの開発支援に携わる。特にパチスロメーカーの開発支援で実績を上げており、開発戦略参画から製品企画・評価検証まで多岐に活躍。




