稼働は前年並みながら、台売・台粗利は上昇。2026年上半期のパチスロ市場では、高単価機が存在感を強めました。前年との比較から、この半年で起きた変化を読み解きます(文=中野大輔/メイドインサービス事業戦略部部長)。
この記事のポイント
- 平均稼働は前年並みながら、平均台売と平均台粗利は上昇
- 高単価AT機が収益を牽引し、平均コイン単価も約7%上昇
- 下半期は高単価機に偏らず、多様なユーザーの受け皿を確保する
2026年も早くも折り返しを迎えました。昨年から続く市場環境の変化がさらに色濃く表れた半年であり、特にスマスロ市場では高単価化の流れが一段と進んだ印象を受けます。
その反面、高射幸機中心の構成にも徐々に変化の兆しが見え始めており、新たな転換点を迎えつつあるようにも感じられます。本稿では2025年との比較を交えながら、2026年上半期の業界動向を振り返ってみたいと思います。
2026年上半期を振り返ると、業界全体の稼働は2025年と比較して大きな変化は見られず、平均稼働は10,411枚から10,455枚とほぼ横ばいで推移しました。一方、平均台売は29,908円から30,298円へ、平均台粗利は3,764円から4,014円へと上昇しており、稼働水準を維持しながら収益性の向上が図られた半年だったと捉えています。

その背景として、高単価機種の存在感が一層高まったことが挙げられます。2026年前半は『Lソードアート・オンラインⅡ』『Lミリオンゴッド–神々の軌跡–』『L真打 吉宗』『Lビッグドリーム』などの高射幸性AT機が業界を牽引。これらの機種は高い稼働実績に加え、粗利面でも大きく貢献し、多くのホールにおいて収益を支える重要な存在となりました。
また、メーカー公表のコイン単価を見ると、2025年導入機種の平均が約3.26円であったのに対し、2026年導入機種は約3.51円と、およそ7%上昇しています。これは、4円を超える高単価機種が市場から高い支持を得た影響による一時的な変動である可能性もあります。しかしながら、従来の3円台中心の構成から、4円超の高単価機種が主力として受け入れられる環境へと変化しつつあることもうかがえます。
2026年上半期は、稼働規模そのものに大きな変化は見られなかったものの、高単価化が進行し、収益確保を意識した営業戦略の重要性が高まった半年であったと言えるでしょう。その一方で、高射幸機一辺倒の流れに変化をもたらすべく、業界全体ではBT機の普及・発展に向けた取り組みも進められています。
下半期以降も高単価機の導入は続くと見られますが、そこに依存するのではなく中射幸帯機やBT機、さらにはジャグラーシリーズなども含め、多様なユーザー層の受け皿を確保する機種構成のバランスこそが、安定した稼働と収益の両立につながるのではないでしょうか。
下半期の機種構成で押さえたい点
高単価AT機だけに依存せず、中射幸帯機、BT機、ジャグラーシリーズを組み合わせ、多様なユーザー層の受け皿を確保することが重要だ。
◆プロフィール
中野 大輔
㈱メイドインサービス 事業戦略部 部長
大手メーカーで約20年間勤務。開発職・マーケティングの経験を活かし、現職では全国ホール企業の経営/営業支援および複数遊技機メーカーの開発支援に携わる。特にパチスロメーカーの開発支援で実績を上げており、開発戦略参画から製品企画・評価検証まで多岐に活躍。




