前回のコラムの続きとなります。まだご覧になられていない方は、前回をご覧になられた後にこちらを読んでいただければと思います(文=荒井孝太/㈱チャンスメイト 代表取締役)。
この記事のポイント
- 羽根モノの支持が長続きしたのかったのは、CR機の高出玉・確変に比べ、出玉面で見劣りしたため
- 2004年の規則改正と不正対策の強化で、役物開発や釘調整の難しさが増した
- 現在は玉の動きと緩やかな投資性が、希少性を超えた魅力として再評価されている
前回のコラムでは1990年代に大きく羽根モノ機が盛り上がったという話をいたしましたが、その盛り上がりは長くは続きませんでした。それは、羽根モノ機自体が当時盛り上がり始めたCR機と比べて大当り1回当たりの出玉が少なく、出玉が連チャンする確変も搭載されていなかったことから、それらに比べて出玉が見劣りする羽根モノ機はそこまで大きくユーザーから支持されることはありませんでした。
そして決定的な出来事と言えば、2004年の規則改正において、1種2種3種というパチンコ機を分類する区分が撤廃されると、羽根モノ単体でリリースするという発想が徐々に薄くなっていくのは否めないかと思われます。また、この規則改正に至った重要な要素の1つが「不正改造の防止」です。当時の遊技機は今よりも不正な方法で利益を得る、いわゆるゴト行為が今よりも蔓延していたこともあり、法律を改正して不正に強い遊技機作りが推進されることになりました。その結果、玉の動きに一喜一憂しドキドキハラハラすることがメインのゲーム性である羽根モノ機は、ドツキゴトを始めとした不正対策が非常に難しいカテゴリーの機械になってしまったということがあり、機械の作り手であるメーカーサイドも手を出しにくい機械となってしまいました。
この羽根モノ機を代表する玉遊びを重要視する機械というのは、玉の動きに余白があればあるほど役物として面白い一方で、ゴトがしやすくなるといった性質をもっていますので、どうしても開発そのものが難しいということになっていきました。またこのころからホール側における釘調整というものが難しくなっていったことも拍車をかけます。結果的に、2000年代以降に関しては、法律の問題やメーカーサイド、ホールサイド、そしてユーザー側も思ったほど羽根モノ機を支持することがないとなれば、そこまで大変な思いで羽根モノ開発をしようという試みが少なくなっていくのはもはや当然と言っても過言ではないでしょう。
そのような流れがあり、今ではあまり見かけることすら珍しくなった羽根モノ機ですが、その希少性や物珍しさというだけではなく、ぱちんこ本来の玉の動きを中心としたドキドキハラハラするゲーム性や、投資金額の緩やかさが今の時代だからこそ際立って目立ってきているのは少し感慨深いものがありますが、改めて羽根モノ機の良さを中心に評価される時代になったともいえるのではないでしょうか。
そんなことに想いを馳せながら、今後ぱちんこメーカーが力を入れてリリースされるであろう羽根モノ機を楽しみたいと思います。
◆プロフィール
荒井孝太
㈱チャンスメイト 代表取締役
パチンコメーカー営業、開発を歴任後、遊技機開発会社チャンスメイト(https://chancemate.jp/)を設立。パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、遊技機開発業務の傍ら、ホール向け勉強会や全国ホール団体等の講演会業務など広く引き受ける。




