日工組の通常総会後の懇親会で、榎本理事長をはじめとした団体代表の方々より羽根モノ機を中心とした低中射幸性機の拡充について言及があったそうです。本日は、一部の機械を除き殆どホールで見かけなくなった羽根モノ機について歴史を少し紐解いていきたいと思います(文=荒井孝太/㈱チャンスメイト 代表取締役)。
羽根モノ機とはチャッカーに玉が入賞することで羽根が開放し、その羽根の中にある役物のVゾーンに玉が入賞すると大当たりとなる機械の事を指します。
そんな羽根モノ機ですが、今から50年近く前に発売された『ゼロタイガー』が元祖といわれています。この『ゼロタイガー』は当時のパチンコホールでは導入していないお店はないほど大ヒット機種となり、他メーカーも追随していったことから元祖羽根モノ機と言われています。
名前の由来は戦闘機のゼロ戦をモチーフとした台で、役物の中央には戦闘機のプロペラがあり、役物内に玉が入賞した後は、そのプロペラで玉を弾くため玉の動きがランダムになる所も含めて非常に1玉1玉の動きに一喜一憂したというのは想像に難くありません。そんな元祖羽根モノ機の『ゼロタイガー』が戦闘機モチーフだったこともあるかと思いますが、羽根開放が飛行機の羽根のように見えるため、別名ではヒコーキ台とも呼ばれていました。
羽根モノ機ですが、当時はVパンクというものが存在しました。羽根モノは毎ラウンドVゾーンに玉が入らないとラウンドが消滅してしまうという性能だったため、大当たりしても玉の動きにハラハラドキドキさせられたものです。
暫くして役物内に貯留装置ができて、パンクはし難くなっていったもののそれでも玉の動きによっては偶発的にパンクをすることは暫しあり、ライトユーザーからしてみれば、折角大当たりしたのに大当たりが消滅するともなれば、それはもう一大事ですね。
1990年に風営法が改正されて、羽根モノは最大15ラウンド、払い出しは15個賞球まで引きあがりました。また、同タイミングにて一発台が廃止されたことで羽根モノ機というのは大きな広がりを見せました。
ここで羽根モノ機は大きく2種類の方向に進むことになります。1つ目がV入賞率が高くすぐに大当たりするが、パンクがしやすく完走が難しいタイプ。前述の『ゼロタイガー』の流れを汲んだタイプと、V入賞率が低く大当たりしにくいが、役物内貯留装置により大量出玉を出しやすくしたタイプの2種類です。『サンダードラゴン』や『トキオ』『ニューモンロー』といった台と言えば50代以上のパチンカーの方々は非常に懐かしいのではないでしょうか。
その後、更に過激さを増した羽根モノ機が登場します。それが1992年に発売された『たぬ吉くん2』です。この機械はそれまでの羽根モノ機とは大きく違い、V入賞し大当たりした後に、デジタルにてラウンド数を事前に決定するようになりました。また、15Rが確定するVを引いた場合、以降3回連続でV(15R)が確定する仕様となっており、その可愛らしい見た目と出玉性能のギャップもまた『たぬ吉くん2』の魅力だったかもしれません。
そんな『たぬ吉くん2』ですが、羽根モノで唯一、社会不適合機として指定され、ホールから姿を消すことになりました。今から50年近く前にリリースされた羽根モノ機も新しい発明等によってドンドンと過激になっていき、規制されるといった流れが今から30年ほど前にも繰り返されていたのは何とも味わい深い話かと思います。
次回は、そんな羽根モノ機に関して令和の今現在に則した部分で分析や考察していきたいと思います。
◆プロフィール
荒井孝太
㈱チャンスメイト 代表取締役
パチンコメーカー営業、開発を歴任後、遊技機開発会社チャンスメイト(https://chancemate.jp/)を設立。パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、遊技機開発業務の傍ら、ホール向け勉強会や全国ホール団体等の講演会業務など広く引き受ける。


