ここからは、ホール関係者を中心に、幅広い業界関係者から寄せてもらった忌憚ない意見を紹介したい。立場や世代、さらには経営と現場という役割の違いによって、期待と懸念が複雑に絡み合っているのが実情となっている。
関係者の声
キャッシュレス遊技をめぐっては、利便性向上や業務負担軽減を期待する声がある一方、導入コストや手数料、依存問題、社会的な見られ方などへの懸念も聞かれた。
スマートの時のように、ユニット側で多額の工事費用がかかるのは厳しい
40代・ホール経営
いきなりは無理だと思うが、個人的には、座ってスマホでピッと読み込ませて遊技できるのが理想。最終的にはそこに向かうべきだとは思う
40代・ホール幹部
キャッシュレスは景品の流通まで一気通貫でやらないと
40代・ホール幹部
プレイヤーのめり込みを把握する手立てとして、キャッシュレスにより、お金のイン・アウトを知っておくことは依存対策として重要
60代・ホール経営
クレジット決済は世間から叩かれる可能性が高い。せめて大阪IRの開業後のほうがいいのでは
50代・ホール経営
日々の現金に関わる作業負担やセキュリティを考えると、一刻も早くキャッシュレスを導入したい
40代・ホール経営
なんとかpayとかクレジットカードとか使えた方がお客様は楽。ただ、使い過ぎや、お金を持ってないのに使えるようになった場合は、社会的な声が心配
40代・ホール店長
キャッシュレスの利用者は若年層ほど高く、取り込みに期待できる。逆に何もしなければ流出する懸念もある
40代・コンサルタント経営
3〜5%程度の手数料が発生した時点で、ヘビー層は利用しないのでは
40代・ホール店長
今の時代、お客さんが現金しか使えないのは無理がある。現金しか使えないレジャーを探すほうが難しいだろう
60代・景品関係
景品の支払いは毎日なので、キャッシュレス決済で利用された金額の入金ペースが心配
50代・ホール経営
外国人(インバウンド客)を取り込める仕組みなら是非導入したい
40代・ホール幹部
利便性を考えたら、クレジットカード連携がベスト。しかし、社会から懸念を抱かれるのはわからなくもない。後払いでの遊技はダメなんじゃないかと言われたら、今の状況なら頷かざるを得ないだろう
40代・ホール経営
まずは、やりたいところがやればいい話。戦略的に推進するなら行政への陳情も含めて議論を進めていく必要がある
60代・ホール関係者
まずもっていえるのが、現状キャッシュレスシステムの具体的な構成像が完全には明確化されていないこともあり、あくまで「こうなるかもしれない」という前提に基づいた推測の声が多かった。
加えて、日々のオペレーションを担う現場に近い層と、中長期的な戦略を描く経営幹部との間にある視座の乖離も、浮き彫りとなっている。
若年層アプローチに
そのうち、現場に近い層からは、現金管理に伴う作業負担の軽減やセキュリティ強化を理由に、早期導入を望む意見が上がっている。
特に若年層対応として、キャッシュレス化は避けて通れない戦略的課題と捉えられており、対応の遅れによる顧客流出を危惧する指摘も存在した。キャシュレス化の理想像としては、スマホ単体で即座に決済し、遊技が開始できるような環境の構築を期待する向きが多かった。
後払い決済への懸念
もっとも、本格導入に向けたハードルは決して低くないという見解も少なくなかった。
とりわけ、社会的な反発を危惧する意見として多かったのが、クレジットカード等の後払い決済への対応だ。少なからずのホール経営層で、のめり込み防止の観点から、「お金のイン・アウト」をより把握しやすくなり、依存対策に資するメリットがあるとポジティブに捉える一方で、社会の非難を招くのではないかという懸念の根強さを感じさせた。
と同時に、導入するのであれば、社会的な批判を考慮し、慎重な議論や行政への働きかけが必要であるとの認識も一般的であった。
そして、現状不透明な設備導入コストや決済手数料についても複数の経営層が述べていた懸念事項となっている。キャッシュレス利用手数料がホール経営を圧迫するなら、最終的にユーザーにしわ寄せが行き、結果客離れに繋がるようでは本末転倒という考えもあった。さらに、景品仕入れを含めた流通全体での一貫したシステム化や、入金サイクルの確保といった実務面の整備も不可欠とする声も複数から寄せられた。

