パチンコメーカーの奥村遊機は4月14日、名古屋地裁に自己破産を申請し同日破産手続き開始の決定を受けた。負債額は2014年5月末時点で71億5400万円。帝国データバンクの大型倒産速報が伝えている。
同社は1947年創業の老舗メーカー。かつては『ドリームX』や『CRヤジキタ』などのヒット機種をリリース、また、甘デジと呼ばれる大当たり確率の高いセブン機を他社に先駆けて市場に投入したほか、最近も甘デジ専用機を継続してリリースするなど積極的に取り組んでいた。
一方、近年大型版権を採用した機種が市場の主力を占める状況でこの分野でヒット機種が少なく、劣勢を強いられていた。同社がパチンコ化を手掛けた主な版権としては「笑ゥせぇるすまん」「うる星やつら」「アカギ」などがある。
大型倒産速報によれば同社は1996年5月期には年間売上高約335億7100万円を計上していたが、2014年5月期には約135億500万円にダウン、2期連続で欠損計上を余儀なくされていた。
今期に入っても受注に回復が見られず、事業の継続を断念したという。