講演中、戸松氏は、正社員とは違い労働時間の短いパートやアルバイトは一般的には社会保険に加入する必要はないが、1日または1ヵ月の労働時間と1ヵ月の労働日数が正社員の4分の3以上であれば加入しなければならないことを前提に、「突然、パートやアルバイトの2年分の社会保険を徴収されることがある」と述べ、パートやアルバイトの社会保険加入に対する正確な認識を持つ必要があることを強調した。とくに、パート・アルバイトの比率の高いレストランやホテルなどの業種は調査されやすく、「パチンコ業界もいつ狙われてもおかしくない」と注意を促した。
また、「労働時間、日数が正社員の4分の3」ルールについては、あいまいな点が多く調査官によっても差があることを指摘しつつも、「1ヵ月の労働時間の線引きは144 時間とされているが、一日6時間、週16?18日でチェックが入った例もある。そうすると、週4日、1日5時間以内でおさえてもらい、人数を多く囲うことがいいのではないか。ただ、パチンコ店は365日営業だけにどうしても人が必要だろう。はたしてこれで仕事が回せるか」と疑問を投げかけた。受講者からも「使えるバイトは労働時間も長い。優秀なバイトの時間をカットするのは営業にも支障をきたす」との意見も出、厳しい現状を示唆した。
一方、パート・アルバイトの社会保険加入を合法的に防ぐ方法としては、「難しいかもしれないが、2つ会社があると便利。週のうち3日がA社、3日がB社で雇う方法もある。また、2ヵ月以内の期間を定めて使用する者は保険の対象外になるため、2ヵ月毎に勤める会社を代えるという方法もある。パートやアルバイトのなかには手取りが減るため、社会保険に入りたくないという人もいるだろう。そうした時はこういう合法的な手もあるが、(社会保険に)入りたい人は入れてあげたほうが従業員のモチベーションも上がっていいのでは」と助言した。