奈良のパチンコ出店問題、刑事告発に発展

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 奈良市は1月17日、JR奈良駅東側のスーパーの旧ダイエー跡地(奈良市油阪町)に建設中のパチンコパーラーの経営企業(大阪市)と同社社長に対し、市の条例違反を理由に奈良署に刑事告発したことがわかった。1月18日付奈良新聞電子版が報じた。

 この市条例は古都・奈良の景観保全を目的に、とくにパチンコパーラーとラブホテルの建設について県条例よりも厳しい制限を設けている通称ラブパチ条例と呼ばれるもの(正式名:市ラブホテル及びぱちんこ屋等建築等規制条例)。県条例では保育園や学校等の保護物件から周囲100メートル以内への建設を制限されるが、ラブパチ条例では周囲200メートル以内と一段と厳しい制限が敷かれている。問題の旧ダイエー跡地は、県条例はクリアしているものの市条例には抵触する場所にある。奈良市は昨年9月、当時、計画段階だった建築申請に対し、建設不適合の処分を下していた。

 しかしパーラー企業側がその後建設を進めたのは、この不適合処分が翌10月になって取り消されたため。処分を不服としたパーラー企業側は奈良市建築審査会に処分の取り消しを求める再審査を請求。建築確認の審査対象は建築基準関係規定の適合性の有無のみ、ラブパチ条例は含まれないとの主張を展開したが、この結果、一転してパーラー企業側の主張が認められた経緯があった。

 報道によると市側はこの処分取消後も建築の中止を求めるなどあくまで出店を認めない姿勢を崩さず、12月に着工を確認した後も、工事中止を口頭や文書で指示。さらに建築等中止命令書も出していたという。

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