この業法案は議員立法での成立を念頭におくもの。約5年前に娯産研が作成した原案をもとに3年前からおよそ2年をかけて今年6月までに完成されていた。パチンコ店を公安委員会所管の許可制の下におく現行風適法の規制を維持する一方、遊技機メーカーや販社、周辺機器メーカーを経済産業省所管の届出制に組み込み、届出のないメーカーや販社にホールへの販売を明確に禁じていたのが骨格だが、換金合法化は見送られた。
今回の業法案に換金合法化が盛り込まれなかった理由について古賀衆院議員は、「長い歴史の中で一気に換金合法化までもっていくのは容易ではない」と述べる一方で、換金合法化を議論する土台に今回の業法案を位置づける考えを明示した。また業法案の国会提出に業界のコンセンサスを第一条件とする点については、「パチンコ業界の想いがバラバラではおかしな話になる」と述べた。
民主党娯産研が業法案の成立に意欲を示すのは、カジノ法案の成立にも同時に前向きな意思を固めているため。カジノ法案成立に向け、カジノ反対派の批判の矛先がパチンコの換金問題に飛び火する可能性も視野に、カジノとパチンコ両方の存立を法的に整備する狙いがある。カジノ合法化にはパチンコの換金に何らかの法的担保が不可欠という認識だ。古賀衆院議員は議員立法でカジノ合法化をめざす超党派議連「国際観光産業振興議員連盟」会長も兼務している。
一方、カジノ法案の国会提出時期について古賀衆院議員は、「通常国会は予算審議が最優先。また政局しだいで不透明なところもあるが、できれば来年の通常国会を目指したい」と言明。「カジノから一歩、半歩は遅れてもいいが、3年も4年も遅れたらタイミングを逸する。カジノだけ立法されることを大変心配している」と指摘した。