北電子が2018年にスタートした体験型稲作プロジェクト「米(マイ)ジャグラープロジェクト」。今年で第8期となり、5月には福島県、宮城県、新潟県の各地で田植えが行われた。そんな同プロジェクトに新たな展開。6月21日、キタック東海販売主催により、岐阜羽島の地で初開催された。
今回、岐阜羽島でのプロジェクト実施を計画・主催したのは株式会社キタック東海販売。そこには同社の大野直樹社長の強い想いがあった。「米(マイ)ジャグラープロジェクトの取組みの事は元々知っていて、すごく感銘を受けていました。そんな中、今年は米の価格が上がり子ども食堂の運営が厳しくなっているという話を耳にし、“自分たちでお米を作って寄付出来ないか”と考えました」。
岐阜羽島の地を選んだ理由について大野社長は「当初は能登半島地震の被災地での実施を考えていましたが、実際に現地を訪れたところ被害が想像以上に深刻で、果たして今自分たちが現地で活動することが本当に正しいのだろうかと思いました。様々な方に意見を聞き、“まずは自分たちが無理なくできることから始めよう”という結論に至り、自然豊かでありながら災害リスクが低くて継続的に活動できる場所として、岐阜羽島を選びました」と説明する。
協力を仰いだのは、岐阜県羽島市で米・レンコンを生産する加藤ライスの加藤芳正代表だ。「米づくりを通じて社会貢献をする、というキタック東海販売さんの姿勢とプロジェクト主旨に賛同し、是非協力させていただきたいと思いました」と話す。
木曽川と長良川の清流に挟まれたこの豊かな土地で育まれるのは、食用米「ハツシモ」。初霜が降る頃に収穫されたことからその名が付けられ、米の主要銘柄で最も古く、その多くが美濃地方で生産・消費されることから「幻の米」とも言われている。大粒であっさりとした食感が特徴で、寿司米として重宝される品種だ。
当日はこの「ハツシモ」の苗の田植えが行われ、キタック東海販売の社員とその家族約25名が参加。大野社長も参加し、自ら田んぼに足を踏み入れ、社員や子どもたちと泥だらけになりながら丁寧に苗を植えた。参加者は「初めての田植えで、とても楽しかったです。子どもたちもいい経験になったと思います」「農家さんの大変を身に染みて感じました。お米に対して感謝の気持ちが湧きました」と感想を述べた。
- 大人も子どもも、田植えを楽しんだ。
- 参加者のほとんどが田植え初体験で「貴重な体験でした」と口を揃える。
- 約1時間かけ「ハツシモ」の苗を丁寧に植えた。
今回植えた苗は11月頭に稲刈りを予定しており、収穫量は2反で900kgを見込んでいる。収穫した米は子ども食堂などに寄付する予定で、将来的には子ども食堂に通う子どもたちにも田植えや稲刈りを体験してもらいたいとしている。
着実の活動の輪が広がっている「米(マイ)ジャグラープロジェクト」。今後の展開も非常に楽しみだ。