【コラム】パチスロ開発者から見た“ホール初見者離脱”の盲点──春のホール導線に足りないもの

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春は新生活が始まる季節です。新社会人や学生、転勤などで新たな土地に来た方々にとって、ホールとの“最初の接点”が生まれる時期でもあります。そんな今だからこそ、ホール側が「初めて来店する人の目線」で環境を見直すタイミングとして最適です。(文=ジェイさん@発信する遊技機クリエーター/J-BEAT合同会社代表)。

近年はスマート遊技機の普及により、台の構造やスペックの幅が大きく変化しています。私たち開発者は多様なニーズに応える設計を心がけていますが、そうした多様性が“分かりづらさ”を生むこともある、と感じています。

私自身、一ユーザーとしてホールに足を運ぶと、意図したゲーム性が十分に伝わらず、初心者が戸惑っている場面に出くわすことがあります。その原因の多くは、機械の仕様だけではなく、導線や案内など“伝える仕組み”にあると感じています。せっかくの来店機会を無駄にしないためにも、導線や案内表示の見直しは非常に重要です。

今回のコラムでは、そうしたホール初見者の離脱を防ぐために、春のこの時期にこそ改めて見直したい店内導線と案内のポイントをご紹介します。以下に挙げる改善策は、あくまで一例に過ぎません。実際の店舗ごとに課題の内容や優先順位は異なるはずですので、自店の状況にあわせた最適な対応を検討いただくための参考としてご覧いただければと思います。

◆課題と改善提案

1. スマート機の操作

スマスロやスマパチは操作や仕様が従来機と大きく異なるため、初見者が戸惑ってしまいスムーズに遊技に入れない
→ 「スマスロとは?」「どう遊ぶのか?」といった基本的なユニット操作と遊技の流れをシンプルに掲示し、細かい仕様や注意事項についてはQRコードなども使ってスマホでも確認できる環境を構築

2. 貸し玉レート

5円や20円といったレートの違いがスマート機では分かりにくく、自分の意図しないレートで遊技を始めてしまう
→ 遊技レートの違いと、それに伴う遊び方を掲示し、初見者が安心して選べる導線を作る

3. 朝一抽選ルール

朝の抽選や整列ルールが新規客に伝わっておらず、並び場所や時間、入場手順で戸惑いが発生
→ 朝一抽選の流れをイラストで掲示し、入口付近に置くなど視認性を高め、SNSやLINEでも事前に案内することで、初来店者の不安を和らげる

4. スペックの多様化

現行のパチスロはコイン単価が1円台~5円超と幅広く、初心者にはその違いが伝わらず、「ゆるく遊べると思ったら、想像以上に減った」というミスマッチが起きやすい
→ スマスロ/メダル機、スペックタイプなどを視覚的に色分けやサイン表示し、初見でも遊技スタイルの違いが分かる工夫が必要

5. バラエティコーナーの複雑さ

バラエティコーナーは機種ごとの遊技感がバラバラ
→島の入口に「バラエティコーナーとは何か」を説明した簡潔なPOPを設置、混在しているタイプを大まかに分類した案内図を表示し、それぞれの台に「AT機(高純増タイプ)」「ノーマル機(遊びやすい)」といったアイコンや短いタグを貼ることで、初見での選びやすい環境を整える

6. 質問しにくい環境

スマート化でスタッフとの接点が減り、ホール初見者が困っても声をかけづらい
→ 「このボタンでスタッフ呼び出し可」といった表示や、よくある質問をまとめた簡易POPを活用し、ユーザーの不安を軽減

◆さいごに

ホール初見者にとって、「分かりやすい導線」「安心できる案内」が、遊技同等に記憶に残る要素です。私たち開発者も台づくりに尽力していますが、その魅力を最大限伝えるには、ホールの工夫や補足もまた必要不可欠です。

この春、新たなお客様との出会いがリピーター化の第一歩となるよう、ぜひ“伝える仕組み”の整備を意識していただければ幸いです。また、こうした導線や案内の見直しは、今後導入が予定されている新たなスペックタイプ──BT機などに対しても、スムーズな受け入れ準備につながるはずです。春のタイミングを活かし、今後の環境変化にも対応できる店舗づくりを進めていきましょう。

◆プロフィール
ジェイさん@発信する遊技機クリエーター
J-BEAT合同会社代表

発信するプロ遊技機クリエーター兼ライター。過去遊技機メーカー3社で勤務。在籍中に10数機種の遊技機開発に携わる。現在は法人を経営しつつ、フリーのクリエーターとして遊技機開発に従事。また、メーカー所属では出来ない発信、評論活動を行っている。
X(旧Twitter):https://twitter.com/jsan65536

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