LEDビジョンを軸に音・光・映像を組み合わせたオープニング演出で、業界を席巻する㈱NOVA。この感動の空間演出の発想はどこからくるのか。仕掛け人・津久井秀樹社長の足跡を辿る。
生まれ育ったのは関東メーカー発祥の地・群馬県桐生市。父親は島用品・補給装置の販売会社、叔父は大手遊技機メーカー、親戚は業界関連の運送会社と、身の回りに業界従事者が多かったこともあり、大学卒業後は自然とパチンコ業界に足を踏み入れた。
新卒で就職したのは大手の業界商社。就職した商社は当時、遊技機メーカーを含めても業界トップ10に入る売上高があり、遊技機販売にも手を広げていくタイミングとも重なったことで、伸びしろを感じた。
営業所に配属後は、設備、備品、販促品、端玉景品の営業活動をする毎日。加えて、ホールの内装の提案も積極的にこなすなど、その商才はみるみる開花し、入社3年目、25歳の時に上司の異動を機に最年少で営業所長に抜擢された。
「業績を上げ経験を積み、自分自身を売ることでお客様から信頼され、信用が高まっていく。そうなればお客様からの問い合わせの質も高まり、新たなビジネスに繋がります。そのことを大いに学ばせてもらいました」。
しかし、27歳の時に自分の想いをもっと形にしたいという強い想いから、退社と独立を決意。2011年に株式会社NOVAを設立した。
やりたいことに特化
その根底には「パリピ精神」
NOVAとしてのスタートは、前職の経験を活かした内装デザイン施工と、部備品販売だった。独立にあたって不安は一切なかったが、新商品の開発や商品仕入れには相当苦労した。しかし、そこは広げた人脈と、人柄や仕事ぶりが評価され、多くの人のサポートを受け、何とか顧客へ商品を提供出来るまで実現させた。
「今までと同じことをしていても意味がないと常に考え、言葉は悪いですが、いかに安くしサポートを手厚くするかに奔走しました。でもそれが長続きする訳もなく、何かに特化した唯一無二なものがなければやっていけないと考えました」。
そこで津久井社長は自身の性格と向き合った。自分は何がしたいのか、何に喜びを感じるのか。
「大学を卒業してから、スポーツなど何かに一生懸命打込んだ、熱中したという経験は特にありません。ただ、派手でとにかく映えるものが好きでした。特に昔から人が集まるにぎやかな場所が好きで、そうした雰囲気を自分からつくることに喜びを感じていました」。
思い起こされる根っからのパリピ精神。答えが出た瞬間だった。
人が集まる場所の空間・演出プロデュースを通じて、その場にいる人の気分を高揚させたい。NOVAの事業方針をその方向に振り切った。創業当初は多くのホールから寄せられた内装デザイン施工の案件に特化していたが、案件をこなすうちに培った感性やノウハウが評価され、業界以外の空間プロデュースの仕事も舞い込んでくるようになった。
「特に、クラブとホールはつくりが似ていて、お客様の気分が上がる要素もどこか通ずるところがあります。私たちは気分を上げることに対してプライドを持っていますので、視野を広げ、いい意味でパチンコ業界から脱した考え方や業界外の刺激を業界へ転用できる点が、弊社独自の強みだと思います」。
最先端の空間プロデュース
最尖端の企業であり続ける
現在、NOVAでは内装プロデュース、空間演出に加え、うどん屋の経営にも携わっている。うどんは生まれ故郷・桐生市の名物「ひもかわうどん」で、幅が広く薄い麺が特長。これも、食べに来た人に楽しんでもらいたいという想いから始めた事業だ。
最後に、津久井社長にNOVAの想いと今後の展望を聞いた。
「NOVAでは、作品として評価が高いモノを創り上げることにベクトルを向けています。そこに自分たちの利益の高低は関係ありません。そして常に心掛けているのは“小さいピラミッドでも頂点に立つ”こと。大きな山の中層で留まるより、どんなに小さい山でもその頂点に立つことです。そういう意味では、オープニング演出など、自分たちのしたいパフォーマンスを多くのホール様に評価していただけるようになり、ようやく形になってきたと感じています。自分たちの足跡が評価され、ホール様の稼働がつけば尚更嬉しい。これからも派手な最先端の空間プロデュースを追求しつづけていきます」。
まさに、最尖端企業ここにありだ。
株式会社NOVA
本社/東京都立川市錦町4-5-23
ジョイフル西国立102
【設立】2011年1月
【事業内容】
店内照明演出機器プロデュース販売
LEDビジョン製作販売、店舗設計、デザイン、施工、管理業務、遊技場設備及び部備品販売、喫煙ブース制作、販売、端玉景品、一般景品販売、経費削減目的のコンサルティング業務、飲食店運営
【URL】https://nova-tokyo.net/