パチンコ市場にようやく『P 魔法少女まどか☆マギカ3』という待望の1機種が現れた。同機が素晴らしい動きを示していることはすでに承知の事実だと思うが、それが、どのレベルの評価に値するのかについて本稿でまとめることとする(文=𠮷元一夢/㈱THINX代表取締役)。
当社独自の分析のひとつである偏差値分析を使って同機のポテンシャルを客観的に捉えると、『Pエヴァ16』や『eReゼロ』を超えるポテンシャルを有した機種であることに正直驚いた。
最初に注目したのは、勝ち金額の偏差値が73という値を示したことである。この結果は、93機種に1機種生まれるかどうかのレベルとなるため、通常の機種ではできない勝ち体験をユーザーは行うことができるようになった。1%存在するかしないかの魅力となるため、支持が集まるのは当然であり、ゆえにホールは重宝して然るべきだと考えられるだろう。
また、同機が示した勝ちの魅力は昨今のユーザートレンドに上手くJOIN(結合)させた機種であり、ようやく“LT機らしい”機種が登場したと言えるのではないだろうか。
次に注目したのが同機を遊技したプレイヤーの遊びかたの質である。同機が示した遊技時間平均は61.6分となった。過去、60分を超えた機種は数えるほどで、旧作の『Pエヴァ15』や『P Reゼロ鬼がかり』がそれに該当することを踏まえれば、いかに同機の遊技時間が驚異的であるのか理解しやすくなるだろう。
さらに、遊技時間別の遊技者割合の分析を進めると同機を支持する遊技者構造は極めて良好であることが明らかとなった。同機を遊技したプレイヤーを100%としたとき、60分以上の遊技を行うプレイヤーの割合は33%となり、3人に1人が60分以上の遊技を行っていることがわかった。
また驚いたのが、その対極の存在となる15分で遊技をやめるプレイヤーの割合が15%を下回ったことだ。「LT機」の性質上、どうしても15分で遊技をやめてしまうプレイヤーの割合は高くなりやすかったが、同機はそうした定説を覆す結果を示した。これは、「LT機」の未来、もっと言えば“パチンコ市場の未来”にとって良い兆候のひとつとして捉えることができるだろう。
本稿で取り上げた、『P 魔法少女まどか☆マギカ3』はどのレベルの評価に値するのか? という題目については、これまでマーケットをけん引してきた『Pエヴァ16』や『eReゼロ』を超えるポテンシャルであることが分析から見えてきた。
ただし、同機は供給数が少ないため、現状、マーケットにインパクトを及ぼす程の影響まではないのが正直なところなので、できれば早めの増産アナウンスに期待している。
◆プロフィール
𠮷元 一夢 よしもと・ひとむ
株式会社THINX 代表取締役。データアナリスト・統計士・BIコンサルタント・BIエンジニア。文部科学省認定統計士過程修了。現在は、IT企業のシステム開発やソフトウェア開発にアドバイザリーとして従事しながら、パチンコホール・戦略系コンサルタントとして活動。
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