【コラム】パチスロの「Aタイプ」と「ノーマルタイプ」について

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最近SNSで「Aタイプ」と「ノーマルタイプ」について言葉の違いについて話題にされているのをみました。皆様はこの2つの言葉を使い分けていますか?本日は「Aタイプ」と「ノーマルタイプ」について開発目線で言及してみたいと思います(文=ジェイさん@発信する遊技機クリエーター/J-BEAT合同会社代表)。

Aタイプとは

4号機までのビッグボーナスは遊技機規則で最大30G間の小役ゲームの間に最大3回のJAC(レギュラーボーナス)の作動が認められており、ポイントは「終了条件」で、小役ゲームを30G消化するか、JACを3回消化するかのどちらかでした。このJACの規定回数が3回であるビッグボーナスを搭載した機種を「Aタイプ」と呼んでいました。

一方、5号機以降のビッグボーナスは終了条件が規定の払い出し枚数に変わっています。6号機では285枚を超える払い出しが終了条件です。そのため5号機以降のビッグボーナスではJACの回数が注目されることはなくなりました。

たとえば『アイムジャグラーEX』では終了条件が280枚を超える払い出しとなっており、JAC回数を意識することはありません。むしろJACが存在している事自体知らない方もいるのではないでしょうか。

5号機以降のビッグビーナスではJACを入賞させなくても、オートでJACが始まる機種がほとんどで、4号機の頃のようにJACを揃えさせる機種は逆に異質な機械のようになっています。

Aタイプという言葉は、4号機時代のJACの規定回数によって生まれた言葉ではありますが、6号機の現在においてはAT(指示機能)で増やすボーナス(疑似ボーナス)ではなく、普通のボーナスのみでメダルを獲得する機種タイプという使われ方に変わっています。

現在において開発現場でもAタイプはノーマルタイプと同等に使われており、開発部の上司から「Aタイプの企画を考えておいて」と言われる事も普通になりました。

日本電動式遊技機工業協同組合と回胴式遊技機商業協同組合による「パチスロサミットONLINE」の用語集でも、Aタイプは『俗にノーマルタイプのことを指し、6号機では「ジャグラーシリーズ・パルサーシリーズ」がこれにあたる。』と説明されています。

さいごに

最近ではSammyさんの「A-SLOT」、ユニバーサルエンターテインメントさんの「A PROJECT」のようにAタイプの「A」を意識した表記をパチスロメーカーも使うようになっています。個人的にも、単純に「A」のシンボルがシンプルな機械というイメージを指し示すように感じています。

特に最近のパチスロは「難しい」という印象をもたれる事も多く、多種多様な機種をパチスロが初めての方や、シンプルなゲーム性を好まれる方向けに、キャッチーで分かりやすい分類表記で示していく事も求められています。

一番大事なのは、今パチスロ遊技される方が安心して遊技できることだと思いますので、こういった時代の流れに合わせながら、自店にあった分かりやすい表記で機種の分類を行っていただければと思います。


◆プロフィール
ジェイさん@発信する遊技機クリエーター
J-BEAT合同会社代表

発信するプロ遊技機クリエーター兼ライター。過去遊技機メーカー3社で勤務。在籍中に10数機種の遊技機開発に携わる。現在は法人を経営しつつ、フリーのクリエーターとして遊技機開発に従事。また、メーカー所属では出来ない発信、評論活動を行っている。
X(旧Twitter):https://twitter.com/jsan65536

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