昨年末は『Reゼロ2』や『エヴァ16』に沸いたが、4円ぱちんこの市場全体としては落ち着いたものだった。その証拠に、これを執筆しているのが1月下旬頃となるが、前年同期との比較分析では4円ぱちんこプレイヤーの創出量はマイナス5ptとなり、42%の規模にまで縮小したのが実態だ。
一方、20円パチスロプレイヤーの創出量はプラス5ptとなり、58%の規模にまで拡大していることから“ひきつづき軸足はパチスロ”とみて良さそうだ。
さて、このような市場構造のなか、一際目立つ存在として注目しているのが『モンキーターン』である。本機は、時間の経過とともに徐々に評価を浴びてきた印象だが、実は当社の分析では導入後すぐに高いポテンシャルを有していることが示されていた。
当社では遊技機のポテンシャルを診断する際に偏差値を使って分析を行っている。図1は『スマスロ北斗』『モンキーターン』『スマスロバジ絆』を比較したものとなるが、明らかに『モンキーターン』は違うレベルにいた。
最終的には、単一機種で創出できたプレイヤーの創出量などを含めた総合的な観点から評価していくが、ポテンシャルは『スマスロ北斗』以上と言えるだろう。
特に、プレイヤーの心理状態を表す「遊びかたの質」の偏差値が高かったのは評価できる。実際に経過観察を行うと導入から7週目が経過しても同機の遊技時間は89分で、同週の『スマスロ北斗』が73分だったことに鑑みればプレイヤーの心理状態は極めて良い状態と推測できる。
また、導入1週目時点で120分を超える同機のポテンシャルに気づけていれば、中古購入や増産の判断も素早く行えただろう。2024年はこうしたインサイト(遊技者の隠れた本音)を引き出すことが、営業をスケールさせる上では重要だと考えているので参考にしていただければ幸いである。
◆プロフィール
𠮷元 一夢 よしもと・ひとむ
株式会社THINX 代表取締役。データアナリスト・統計士・BIコンサルタント・BIエンジニア。文部科学省認定統計士過程修了。現在は、IT企業のシステム開発やソフトウェア開発にアドバイザリーとして従事しながら、パチンコホール・戦略系コンサルタントとして活動。