【インタビュー/私の道】
パチンコ店に後悔をさせないことが使命
~株式会社娯楽総合研究社 木原弘勝代表取締役

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PROFILE ●きはら ひろかつ
1976年8月生まれ。大阪市出身。2003年に遊技機販売会社の㈱三井企画に入社。2009年8月に㈱娯楽総合研究社を設立。2015年に三井企画の代表取締役に就任。関西遊技機商業協同組合の機械流通対策委員を務める。歴史好き。趣味は料理。

ミュージシャンから縁あって業界に参入した娯楽総合研究社の木原弘勝社長。ホール営業をサポートするため、ホールの業務効率を図るWebツール『G-net Work Space』に注力する。これまでの歩みと今後の目標を聞いた。

音楽活動の挫折からパチンコ業界に参入

小さい頃から家にピアノやギターがあり、高校時代は友達とバンドを組んで、ロックやポップなどを演奏していた。高校卒業後は自動車関連の会社に就職したものの、社会人バンドを続けるうちに音楽で自分たちの力を試したいという衝動にかられた。まだ20歳。会社を辞めてバンド中心の生活に飛び込んだ。

その当時、路上ライブでよく出向いていたのが大阪・天王寺周辺。

「僕ら世代だとコブクロなんかが有名だと思いますが、天王寺とかで一緒にやっていたりしていました。立っている場所が違ったら、『俺らの方が売れてたんちゃうか』、なんてよく言っていました(笑)」。

ファンが少しずつ増える手応えを感じ、「次は東京や!」と血気盛んに上京。しかし、現実はそんなに甘くはなかった。埼玉の一軒家で事務所の仲間と共同生活を送るが、なかなかチャンスに恵まれず、結局、大阪に舞い戻ることになった。24歳の時に味わった挫折だ。

大阪に戻り、仲間内のバンドの手伝いなどをしながら過ごすうちに、高校時代の友人から「遊技機の納品を手伝ってもらえないか」と声を掛けられた。これが思いがけず転機となった。

青春時代、バンドに熱中していた当時の木原社長(左)。

「パチンコ好き」から店舗を支援する側に

実は高校時代にバンドの他にハマっていたのが、パチンコとパチスロだ。今と違って高校生たちのホールへの出入りが緩かった時代。大人になる通過儀礼のように仲間たちとパチンコ・パチスロの面白さを覚え、雑誌の広告をみて中古のパチスロを購入するほど熱中した。

「そのパチンコ仲間が遊技機メーカーに勤務していて、バイトの話が回ってきたんです。当時はメーカーが納品時に釘をメンテナンスしていましたので、その手伝いもしていました」。

釘に関する知識や経験を修得するうちに、当時の関西方面では一般的だったホールの釘のメンテナンスも請け負うようになる。ホールとの付き合いが増えていくなかで、今度は遊技機販売会社の㈱三井企画から誘われ、正社員として入社。業界にどっぷりとハマる契機となった。

「当時、遊技機の販売だけでなく、釘のコンサル的なことまで器用に立ち回れる人が少なかったんだと思います。いろんなホールから声を掛けてもらいました」。

遊技機の在庫管理や入替に伴う各種申請書類の作成業務などを大幅に効率化できるシステム。中古機の売却システムも一体化するなど、「あったら便利」な機能を搭載する。

時代の変化にあわせホールの効率化を提案

遊技機の販売とあわせて、ホール営業のコンサル業務などを並行して行うなかで、モットーにしていたのが「如何にパチンコを面白くするか」という視点だ。平成16年の規則改正で1/499の遊技機が登場した際も、多くのホールが射幸性の高いスペックに目を向けるなか、あえて遊びやすい遊技機の活用をホールに提案するなど、ユーザー目線での面白さ・楽しさを意識しながら、ホール営業をサポートした。

一方で、気になることもあった。チェーン店の大型化、遊技機の購入方法や販促手法の変化、人材不足など、時代とともに取り巻く環境が変わり、昔のやり方だけでは営業が成り立たなくなっていた。

「いくら小さな店舗が理想を掲げてもなかなか実現が難しくなっているのを感じました。差別化が難しくなっているなかで、中小ホールが生き残っていくにはまずは業務の効率化が不可欠。そのために何ができるかを常に考えていました」。

そこで、三井企画の業務をこなしながら、2009年に㈱娯楽総合研究社を立ち上げた。コンサルタント的な業務や遊技機に関する情報提供、新台入替に伴う各種業務の効率を図るWebツール『G-net Work Space』の開発など、中小店舗にも役立つツールやヒントを提案することに力を注ぐ。

「取引をしてきたホールさんのなかには、残念ながら潰れてしまったところもあります。『もっとこうしたらよかった』と言うホールさんをいやというほど見てきました。そういう後悔をさせないこと、1店舗でも多く生き残っていけるようにすることが自分の仕事、使命だと実感しています」。

2015年には三井企画の代表取締役を引き継いだ。現在はその立場で関西遊商の機械対策流通委員会委員も兼務している。

現在の目標は、パチンコ店の様々な業務を完結できるプラットフォームをWeb上で作成すること。その足掛かりが、先に触れた『G-net Work Space』だ。

「こんなシステムがあったらいいのにな、というものを開発して、ホール営業をもっと楽にしたいですね」。

ホールの課題解決に向けて日々、奔走している。

株式会社娯楽総合研究社
本社/大阪市浪速区大国3-9-27-4階
【設立】2009年8月
【資本金】3,400万円
【事業内容】
■パチンコ関連事業(経営者向けサービス、新規出店者向けサービス、パチンコ店運営者向け戦略・戦術サイト「G-net」運営)
■コンサルティング業務
■人材派遣・紹介事業
■ビル・マンション防犯事業
【URL】https://gorakusouken.co.jp/

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