【コラム】パチンコのロングST機と言っても大きく3種類あります

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2020年から始まった出玉スピードに特化したパチンコ機ですが、3年ほど経って落ち着いてきたように思います。そんな中で最近、注目度が高くなっているのがST(スペシャルタイム)の回数が多い「ロングST機」です。『エヴァ15』や『Reゼロ鬼がかり』が高稼働している状況もあり多くのホールさんから熱波が送られている状況だと思いますが、開発者として実はロングST機には大きく分けて3種類ありますよ、という話を本日行いたいと思います(文=荒井孝太/チャンスメイト代表取締役)。

・王道のV確ST機タイプ

大当たり中にアタッカー内のV領域に玉が入賞すれば確変になるスペックで、2011年に豊丸の『ウイッチブレイド』がスタートとなったこのスペックは、長らくパチンコ機の主流スペックとして君臨していました。

上記にも記載いたしましたが、『エヴァ15』や今度リリースされる『Pフィーバーかぐや様は告らせたい』や、『eぱちんこソードアート・オンライン』等もこのスペックに分類されます。

主な特徴としては、確変(ST)状態と時短状態の2種類を保持できます。また、時短演出とST中演出の演出変動尺を変更することができますので、右打ち中の演出を豊富にすることができるというメリットがありますが、一方で高確率(ST確率)は低確率の10倍アップが限界値のため、即大当たりをさせることができない=出玉スピードを高めることが難しい。と言うこともあり、近年ではどちらかと言えばあまり好んで開発されていなかったスペックとなります。

・長らく覇権をとっていた1種2種を活用したST機タイプ

特図2に大当たりに繋がる小当たりを搭載し、RUSH中の時短を規程回転数で区切ることにより時短機でもV確ST機を再現することに成功したスペックです。

1種2種タイプは確変が搭載できませんので、時短しかない(状態を1つしか持てない)というデメリットはありますが、特図2の小当たり確率を自由に設計することができるためV確ST機よりもより幅が広いスペック設計をすることが可能になりました。

RUSH中の確率は極端な話、1/1にすることも可能なので非常に好んで開発されておりました。しかし、初当たりがRUSH非突入の場合、V確ST機でいう所の時短を付けることができません。そのあたりでマイナスな部分もありましたが、それ以上に自由度が高いメリットがあったタイプです。

・最近非常に増えてきた普図抽選を利用したネオ1種2種ST機タイプ

右打ち中は普図抽選(電チューの抽選)を行い、普図抽選に当選後、電チューに玉を入賞させるスペックです。電チューである特図2は1/1で大当たりに繋がる小当りを発生させることで、実質的に普図確率≒大当りにすることが可能になりました。

このスペックの最大のメリットは、初当たり後にいわゆる時短のようなものがつけられることです。普図確率を状態によって変更できるため、1,500発大当たりの後に1/1で普図抽選を行い、即電チュー開放から小当たり⇒大当たりという形で、ほぼシームレスで1,500発の大当たりを発生させ、ユーザーの見た目では3,000発大当りしたように見せることが可能になりました。

この普図スペックは、自由度が高かった1種2種を活用したST機スペックに、そこで搭載できなかったいわゆる時短のようなものを搭載できるようになったこと、シームレスに3,000発を出せるようになったことで昨今の出玉スピードに拘るスペックにはうってつけだったため、ここ最近爆発的に増えたわけです。

このままこのスペックが覇権を取るのかな?と思ったりもしたのですが、意外なところでデメリットもありますので最後にそのあたりも少し言及したいと思います。

この普図抽選を活用したスペックは、作り方にもよりますが、右打ち中の変動秒数はそれほど長く保持することができません。そのため、このスペックを搭載した場合、右打ちの演出がどうしても淡白になりがちになります。そのため、必然的に即当たり系の演出(図柄が即停止系)が増えることは必然だったので、最近RUSH中の演出が似たような機械が多いと思われていらっしゃる方が多いのも、このスペックが増えてきたというのも要因の一つです。

またそのようなスペックのため、どうしてもRUSH中の時間が短くなってしまいます。業界的にいえばTOが短くなり、その分BOが長くなるわけです。どうしても通常中が多くなってしまうため投資金額が多くなりやすい傾向があります。

以上3つのスペックともに、メリット、デメリットがあり、どのスペックが優れている、優れていないというのは特になく一長一短があります。そのため皆さまのホールにおける設置バランスや運用状況、機械そのものの魅力等々によって個別で判断していただければ幸いです。

◆プロフィール
荒井孝太
㈱チャンスメイト 代表取締役

パチンコメーカー営業、開発を歴任後、遊技機開発会社チャンスメイト(https://chancemate.jp/)を設立。パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、遊技機開発業務の傍ら、ホール向け勉強会や全国ホール団体等の講演会業務など広く引き受ける。

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