2023年6月にパチンコ遊技機の内規が改定されました。前回は2022年4月に改定がありましたので、およそ1年ぶりの改定になります。今回は今年6月に改定があった内規ですが、その中で新たにできるようになったラッキートリガーについて解説を行いたいと思います(文=荒井孝太/チャンスメイト代表取締役)。
ラッキートリガーとは?
簡単に言うと、今現在ホールに設置されているハイミドル機と同等もしくは、それよりも玉が出る状態を指します。数値でいうと、期待獲得出玉の期待値が「(初回出玉を除く)6,400個以上、9,600個未満」の状態を指します。そのため、初回出玉を含めると一撃10,000個以上の出玉性能を実現することが可能になりました。このラッキートリガーには以下の主な注意点がございます。
①低確率は1/200以上のスペック(甘デジ、ライトミドルなど)が主となる
②ラッキートリガー搭載機はCタイムを搭載することができない
③ラッキートリガーの突入率はあまり高くならない
④P機でもe機(スマパチ)でも開発可能
⑤開店日は2024年3月1日から
ざっくりですが、このような感じです。他にも開発的な細かい数値的な条件等ありますが、今回はあまり本筋とは関係ないので割愛させていただきます。
ラッキートリガー搭載機仮スペック
現行機ですと、RUSH中の出玉性能は「継続率約81%×ALL1,500個」が総量出玉による上限値というのは、ぱちんこに詳しい方であればご存じかと思います。今回はその期待獲得出玉の期待値が上がっておりますので、そちらに置き換えたとすると、ラッキートリガー搭載機では「継続率約86.5%×ALL1,500個」まで上げることは理論上では可能になります。
よりイメージしやすい形でいいますと、現行の市場にある「P真・北斗無双第三章ジャギの逆襲」ですが、RUSH突入率は35%で突入すれば継続率約81%×ALL1,500個というハイミドル並みの性能を持ったスペックを搭載していますが、数値だけで置き換えますと、ラッキートリガー突入率を大体20%~25%ぐらいまでに抑えれば実現は可能かと思われます。勿論、これは理論上の話ですので実際に出てくるスペックとは違いがあるかもしれません。
今回の内規改定に関しても、従来と同様に「のめり込み」対策を行うために出玉の上限値をしっかりと規定する一方、その出玉の範囲内であれば多種多様な遊技機の開発を行うことで、出玉性能だけに頼らない様々な(出玉を含めた)ゲーム性の提案を行うために改定されたものです。
ラッキートリガーにより、スペックの幅はより広がるのは確実ですし、ライトミドル帯付近でのスペック搭載が主になることで、来年はライトミドル帯のスペックが続々とリリースされるかもしれません。
◆プロフィール
荒井孝太
㈱チャンスメイト 代表取締役
パチンコメーカー営業、開発を歴任後、遊技機開発会社チャンスメイト(https://chancemate.jp/)を設立。パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、遊技機開発業務の傍ら、ホール向け勉強会や全国ホール団体等の講演会業務など広く引き受ける。