【インタビュー/私の道】
面談ホール750社超、真摯さ積み重ねた半生
~株式会社プロパティー三戸浩代表取締役

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PROFILE ● みと・ひろし
1965年12月生まれ。埼玉県出身。大学卒業後に就職したゼネコン系のデベロッパー企業を経て、1996年2月株式会社プロパティー入社。2001年代表取締役就任。2021年には物件の原状復帰作業を担う株式会社渋谷社中を創設、代表取締役に就任。

店舗仲介を手掛ける株式会社プロパティー。これまでに面談したホール企業は750社を超える。数多のシビアな売買交渉を繰り広げてきた三戸社長に、これまでの足跡を聞いてみた。

仲介実績は78店舗、面談は750社超も

学生時代は、趣味のバイクや車に熱中した。将来は、父親が営んでいた工務店を手伝う可能性も視野に入れ、ハウスメーカーを中心に就職活動をしたが、新卒で入社したのは、ゼネコン系のデベロッパー企業。1988年、世はバブル経済真っ盛りの好景気に湧いていた。

プロパティー創業メンバーがそのデベロッパー企業出身者で構成されていた縁もあり1996年に転職。着実にキャリアを積み、2001年社長に就任した。

業界と初めて関わりを持ったのは、その翌年2002年の冬。37歳の時だ。

「今の会社を引き継いだ時にお世話になった方のご紹介でした。最初、先方との話し合いが決して順調とは言えなかったので、担当者を変えてほしいと要望した途端に対応が手のひら返しでした。あとはもう、こちら主導でスムーズに(笑)。今思えば、先方にとって交渉が決裂した場合、自店舗近くに、競合の出店を招く可能性がある大事な商談でしたので、最初の段階で逆に足元を見られないようにしていたのかな、と思いますね」。

その日を境に、その後も次々とパチンコ店の仲介事業を手掛け、これまでに面談したホール企業は750社超。78店舗もの仲介実績を積み重ねていった。

「今は少し減りましたが、以前は直接オーナー様とやり取りさせていただくケースがほとんどでした。これは他業種ではまず考えられないことです。そのため決断に至るスピードも早かったです」。

なかには、午前中に物件を紹介し、その日の午後にその会社のオーナーが現地を視察。現地から、契約を締結したいといった電話が鳴ることもあったという。

「市場に公開されている物件情報に関しては、どのオーナー様も決断が早かったですね。業界が新規出店ラッシュとなっていた2003、2004年の頃なんかは、1〜2日で契約が決まっていくケースが数多くありました」。

その流れに乗ったことで、業績も拡大。多い年で年間6、7店舗を取りまとめた。3ヵ月ほどで年間の予算計画を達成した年もあったという。

しかしその後、リーマン・ショックにより状況は一転。不動産業界にも荒波が容赦なく押し寄せたが、これまで少しずつ培ってきた信頼によって乗り切った。

「たとえ、売上にならないようなことでも真摯に向き合ってきたことで、苦境時を乗り越えられ、その後の仕事にも繋がっていったと思います」という。今も店舗のM&Aに関する相談を数多く受けるなど、顧客からの信頼は厚い。

同社が入居する渋谷区東の「渋谷プロパティータワー」。渋谷駅新南口から徒歩4分となっている。

サラリーマンから不動産会社代表へ

同社の設立は1990年。現事務所が入居するビルの土地所有者が創業者だ。その後、創業者の御子息の公認会計士が事業を引き継いだが、上場企業の監査役就任に伴い、社長業との兼任ができなくなり、三戸社長にバトンが手渡された。

「当時は、普通のサラリーマンでしたからね。顧客だった別の公認会計士の方にほぼ100%助けてもらいました。業界と取引させて頂くことが多くなったのも、その方の顧客に、パチンコ店の経営者が多かったというのが一番の理由です」と感謝の想いを語る。

経営哲学もその人から多くを学んだ。「良く言われました。『待っていてもダメだよ。自分から動かないと。誰も助けてくれないよ』『嘘をついてはいけない。ごまかしてはいけないよ』って」。なかでも、印象に残っている言葉は、「天は自ら助くるものを助く」。今も心に強く残っており、営業活動のモットーにしているという。

事業展開で大事にしているのが、スピード感だ。「スピードがなければ優良物件をセールスできないですし、顧客のライバル店に物件を抑えられてしまいます。特に売り時の見極めは重要です。タイミングを逸して、様々な要因によって高値で売却できなくなり、機会を損失するオーナー様を数多く見てきました」と経験則を口にする。

今後の目標として定めているのは、一般の不動産仲介・管理事業の拡大。同社は、パチンコ店仲介だけでなく、一般の不動産仲介・管理等も行っており、現在管理棟数は30棟を超え、戸数では300室以上が委託されている。

同社が管理する足立区・梅島の物件「フローリット梅島」。地上11階建てのマンションで、東武伊勢崎線の西新井駅から徒歩5分という好立地が売りだ。

「この中には、ホールオーナー様の所有するビルやマンションも含まれていますが、この数を今の3倍以上に増やしていきたいですね」と腕をまくる。

今は、時間を見つけて子供の頃から嗜んできた釣りに出かける。スタイルはかなりの体力を要する浜からのショアジギングで、静岡県の焼津、三保方面まで足を伸ばすという。「なかなか釣れないですけどね(笑)」と自嘲気味に笑うが、今後も、仕事と余暇をバランス良く組み合わせつつ、真摯に仕事と向き合っていく構えだ。

三戸社長がよく釣りで訪れるという静岡県・三保の海岸。同地は、富士山世界文化遺産の構成資産に登録され、歌川広重の浮世絵でも知られている。中央で釣りをしているのが三戸社長。

株式会社プロパティー
本社/東京都渋谷区東1-32-12
渋谷プロパティータワー
【設立】1990年2月
【業務概要】
○不動産の売買・賃貸・仲介・管理・不動産に関するコンサルティング
○アミューズメント施設の店舗開発全般
○収益ビル・マンション一棟の売買及び管理
○大型住居用マンションの売買及び賃貸仲介
○債務整理に関する相談・コンサルティング
【URL】
https://www.p2103.com/about.html
e-mail info@p2103.com

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