スマスロでパチスロ市場が盛り上がっています。そちらに目が向きがちですが、『ゴーゴージャグラー3』が導入を控えていますので、今回は『ジャグラー』シリーズを取り上げて比較分析していきたいと思います(文=三木 貴史/エスサポート代表取締役)。
ジャグラーシリーズの
スペックを基に徹底比較
7月3日から、全国のホールにジャグラーシリーズ最新作となる『Sゴーゴージャグラー3(以下、ゴージャグ3)』が登場します。同機の筐体パネルデザインは、5号機の『ゴーゴージャグラー2』とほぼ同じで、GOGOランプはLEDですが、豆電球風の優しい光り方になっています。
『ゴーゴージャグラー』シリーズの特徴である「先告知なし」「GOGOランプ点灯時の効果音なし」というシンプルな告知も継承しています。また、新しいプレミアム演出として「スローストップ」「揺らめき点灯」「第一停止音ダブり」が搭載されましたが、いずれのプレミアム演出もそれほどの派手さはなく、シリーズの特性を損なわない演出となっています。
それでは、『ゴージャグ3』をはじめ、6号機で登場しているジャグラーシリーズのスペック表を基に、性能や特性を比較していきましょう。スペック等は下表を参照してください。
『ゴージャグ3』のボーナス獲得枚数は、『SマイジャグラーV(以下、マイジャグV)、『Sファンキージャグラー2(以下、ファンキー2)』、『SハッピージャグラーVⅢ(以下、ハッピー)』と同様、BIG240枚、REG96枚です。
ベースは『SアイムジャグラーEX(以下、アイムEX)』と同様で40Gと低く設計されており、その分、ボーナス確率が軽く、最もボーナス回数が上がりやすい『ジャグラー』となっています。
特に、『ゴージャグ3』の設定1~4のボーナス合成確率は軽く、設定1でも1/149・6と他機種の設定3に該当する確率となっています。また。低設定域のREG比率も高く、低設定でもボーナス回数だけを見ていると、他機種の中間設定以上の回数となるため、低設定でも稼働しやすい傾向にあります。設定5、設定6の合成確率は他機種と大差なく、高設定域の出玉率も低めに設計されているので、高設定狙いのプレイヤーは少ないことが予想されます。
以上のことから『ゴージャグ3』は、高設定狙いのプレイヤーに荒らされることがなく、演出面でも『ファンキー2』のような派手なプレミアム演出もないため、年配の方でも打ちやすく、客層は『アイムEX』に近くなるはずです。
さらに言いますと、『ハッピー』はリール配列が他とは異なる異質のジャグラーで、『ファンキー2』はREG比率が低く高設定が活きにくいジャグラーですので、『ゴージャグ3』は『ハッピー』と『ファンキー2』よりも高稼働させやすいジャグラーといえます。
『マイジャグV』が一番人気であることは揺るぎませんが、『ゴージャグ3』と『アイムEX』の評価は甲乙つけがたいのではないでしょうか。
『ゴージャグ3』の
設置比率は5%推奨
しかし、5号機時代に『ゴージャグ』を年配層向けジャグラーのメイン機種として多台数設置したホールは、稼働が伸び悩んだケースを多く目にしました。そして結局、5号機の『アイムEX』をメイン機種に戻した事例を複数確認しています。
『ゴージャグ3』の合成確率や出率は優秀ですが、圧倒的な販売台数を誇る『アイムEX』がメイン機種として設置されてきた歴史があり、その実績を覆すことは難しいということでしょうか。『ゴージャグ3』は販売台数も25,000台と少なく、販売台数的にもメイン機種としてのポジションにはならないはずです。
私は、ジャグラーの設置比率は20円パチスロの最低でも30%を確保することを推奨しています。設置比率を30%とした時の6号機ジャグラー5機種の推奨設置比率は以下の通りです。
『マイジャグV』:10%
『アイムEX』:10%
『ゴージャグ3』:5%
『ファンキー2』:2・5%
『ハッピー』:2・5%
『ゴージャグ3』の推奨設置比率は20円パチスロ総台数の5%を推奨します。低設定で粗利を確保しても最低限の稼働は維持しやすく、高設定を多用すれば圧倒的なボーナス回数となり、稼働を上げやすく非常に使い勝手がいいジャグラーだからです。
唯一の短所は、高設定域の出玉率が低いため、高設定狙いのプレイヤーに人気がないことでしょうか。ただ、これは短所である反面、高設定狙いの客層が荒らすことが少ないため、年配客層が落ち着いて遊技してくれるという長所でもあるといえます。『ゴージャグ3』は、5号機の『ゴージャグ』と変わらぬポジションで、6号機でも導入必須のジャグラーとなるはずです
『ゴージャグ3』の推奨設定は?
上述したように『ゴージャグ3』は合成確率が高く、設定1でも『アイムEX』や『マイジャグV』の設定3と同等の合成確率となっています。そのため、設定1でも極端に稼働が悪くなることはなく、低設定を使い易いジャグラーです。極端な話、設定ALL2で放置しているだけでも、最低限の安定した稼働は確保できると思います。
設定4はBR比率が1:0・95、設定5、設定6はどちらもBR比率が1:1となっていて、ボーナス比率だけ見れば、設定5と6は同じため、設定6を1台使うなら、設定5を2台使う方が効果的に稼働を伸ばすことができます。
特に設定4以上は、BR比率から高設定と分かりやすいデータとなるため、アピールしたい時には積極的に投入することをお勧めします。常連客層が多く、日々の安定稼働を維持するためには、設定4が非常に有効だといえます。稼働をテコ入れしたい日などは、設定ALL4もお勧めです。
『ゴージャグ3』を10台導入した場合の設定配分なら、以下のようなイメージで使い分けてみてはいかがでしょうか。
■「設定2」を10台・・・利益重 視の平日
■「設定2」を6台、「設定4」を 4台・・・普段の平日によくあ る配分。設定2と4だけで予定 に応じて台数比率を調整する。
■「設定4」を10台・・・稼働の テコ入れをしたい日。設定AL L5だと普段とのギャップが大きすぎるため、ALL4でOK。
■「設定2」を5台、「設定3」を 3台、「設定4」を2台・・・ 稼働が良さそうな日は、設定3 も混ぜて濁して、客滞を上げる。
■「設定2」を7台、「設定5」を 3台・・・高設定が入っている ことをアピールしたい時は、少台 数でも設定5を使用。
■「設定1」を10台・・・確実に 利益を確保したい土日。設定A LL1でも合成確率が甘いため、 単日ならそれほど稼働は落ち込 まない。
この『ゴージャグ3』をきっかけにジャグラー全体の稼働を押し上げていきましょう。
◆プロフィール
三木 貴史
㈱エスサポート代表取締役
1972年生まれ。97年中央大学商学部卒業後、パチスロ専門店(神奈川県42台)にて勤務。01年〜06年グループ4店舗を統括部長として指揮、在職中より他店舗のコンサルティングにも携わる。この期間、全ての店舗で稼働平均15,000枚を継続。07年に独立し、パチンコ・パチスロホール運営コンサルタントとしてエスサポートを設立。“ホールの知恵袋”として全国どこにでも出張中。社内外を問わず行うセミナーも好評。