日電協は6月8日、都内千代田区のパレスホテル東京で第43回通常総会を開催し、任期満了に伴う役員改選で、新理事長に小林友也氏(北電子)を選出した。副理事長には、新たに里見治紀氏、大泉秀治氏、信田裕一郎氏がそれぞれ就任。兼次民喜前理事長は相談役に就いた。
総会では、スマスロの普及促進や自主規制運用の厳格化と見直し、依存問題に対する取組強化、知的財産の保護と適正な運用管理、規則改正に向けたコンセンサスの醸成などを事業方針として掲げたほか、スマスロの特長を踏まえたセキュリティ対策の推進も盛り込んだ。また、組合加盟メーカーによる新台供給の目安となる証紙発給については、昨年度の49万4,009枚から11.7%増となる55万1,637枚となったことが発表された。
総会後の記者会見で、今後の注力点について問われた小林理事長は、①スマスロ推進、②スリープユーザー・ノンユーザーへの訴求、③中古機流通のさらなる健全化および時代に適した運用ーーの3点を列挙。そのうちスマスロの普及状況について、「4月末までの約半年間で延べ約17万台の販売を達成した。パチスロ設置台数は5月末現在で約140万台。内訳はノーマルタイプが約40万台、ATタイプが約100万台となっているので、すでにATタイプの約17%がスマスロに入れ替わった。今後もスマスロ導入を推進し、ATタイプは、3年から5年程度で大半をスマート化したい」との考えを示した。
その一方、ノーマルタイプのスマート化については、「ニーズにもよるが、今の時点でスマート化までの期間は言いにくい。それに30パイ機のニーズも残ると思う。そのため全てのパチスロ機がスマート化することは今のところ考えられない。日遊協の調査によれば、ノーマルタイプのボーナス獲得枚数に不満を持っているユーザーが4割以上いる反面、ATタイプとの差別化を評価する声がある。パチスロ休止層が辞めた理由に、遊び方が複雑になったことなどを挙げているので、シンプルで遊びやすく、ある程度の出玉が感じられる遊技機開発を目指したい」と語るなどした。
また、総会後の懇親会には、遊技産業議員連盟所属の国会議員や警察庁担当官、業界団体幹部らが多数出席し祝辞を述べた。そのうち、警察庁保安課の松下和彦課長は、「兼次前理事長からは、様々な課題や要望をうかがってきた。引き続き小林新理事長とも、コミュニケーションをとりながら、日電協としての課題やご意見をしっかり受け止め、業界の健全化に向けた動きを支援していきたい」とあいさつした。