【コラム】50歳以上が50%を超える節目の年にやらなければならない絶対広告

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失敗しない売り場プロモーション⑯(文=野島崇範/株式会社プラスアルファ専務取締役)

賑やかな色合いで客数は増えたのか?
2023年は50歳以上が50%を超える節目の年です。日本全体が高齢化に突き進む中、視覚だけに頼った広告では伝わらない時代が訪れました。

しかし、この事実を店長自身が体感していないので、視覚に頼った広告からの脱却というテーマを深く受け止めません。だから未だに金色やレインボー・炎などパチンコ店でよく見るデザインばかりを量産しています。お客様に期待感を持って頂きやすい色合いを選択しているのかもしれませんが、人間は慣れる生き物です。金色やレインボーや炎を使用した情報発信で客数は増えましたか? もし成果が出ていなければ、疑問を持って頂きたいです。答えは、賑やかな色合いではないということです。

年輩層への情報発信を見直す機会
では、それは何なのか? その答えの一つが視覚の問題です。ご年輩のお客様を中心に広告が見えないという問題が増加しています。そして、人口統計を踏まえれば、より一層、視覚的な問題により伝わらないという事象が発生します。だからこそ、50歳以上が50%を超える年に、ご年輩のお客様への情報発信を見直す機会として頂きたいと強く願います。

じわりと広がるスピーカーを使用した広告手法
昨年予想した通り、パチンコ業界の大手チェーン店が店内に大型スピーカーを設置したことを発端に、全国的にスピーカーを利用した広告手法がじわりと広がりつつあります。しかし、ほぼ99%のお店がBGMを流すだけです。基本的にBGMの音は遊技機の音楽です。または店舗のテーマソングです。そして、それが毎日同じ状態で発信されています。ご年輩のお客様の視点で売り場が設計されていません。

先日、日経MJ新聞で面白い記事を読みました。オトバンクの社長の久保田裕也さんいわく、「高齢の方が本を持ってオーディオブックを聴いている・・・老眼で読みにくいなかで本を持ってなぞりながら聞く」。まさに、視覚の衰えを聴覚が補足する事例でした。※日経MJ新聞の赤枠参照

ホールで出来る音声プロモーション
人間は耳よりも目が先に衰えます。だからこそ、視覚を補う聴覚プロモーションが必要不可欠となります。弊社ではこの状況を打破したいと2020年から音声プロモーションの強化をご支援先と取り組んでいます。ご年輩の常連のお客様から「裸眼では文字が見づらいが、老眼鏡を持ってまでパチンコ店に来たくない。文字が見えないからイライラする機会が増えた。」というようなご意見を聞くことが増えました。

そこで、視覚を補う音声プロモーションを実施すると、ご年輩のお客様の反応は驚くほど良いものでした。そこから風除室のイーゼルの隣にスピーカーを設置して、イーゼルのポスターの内容と同じ文言を音声として発信しています。

音声プロモーションの一例

もちろん、視覚だけのプロモーションと視覚と聴覚と掛け合わせたプロモーション、どちらが顧客反応を引き起こすのか実験を繰り返しながら、2年間が経過しました。失敗事例と成功事例を繰り返して、どのような音声プロモーションが成果を生み出すのかある一定の答えが見えました。2023年はパチンコ業界で音声プロモーション元年になればと願っております。

【お知らせ】
お客様に刺さるちょっと変わったスマスロ広告のデザインが生まれる理由
https://www.youtube.com/watch?v=eQVzaEmL2x4

スマスロのデザインといえばデザイン定期便
https://www.uriba-design.com/

◆プロフィール
・野島崇範(のじま たかのり)
1983年三重県生まれ。北海道教育大学卒。全国のホールを年間1,000店舗以上調査し、その中から繁盛店に共通する法則を見つけ出し「伝達力」と定義。「伝達力」調査の分析に基づき、お客様立場の徹底と継続の重要性を、支援先ホールの全スタッフと共有する。また、売り場ランチェスター戦略の第一人者として、科学的に売り場の支援を実施。売り場の書籍「あなたの売り場、太っていませんか?」を発売。

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