【コラム】マニアックなデータの話

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日々、営業データ管理を行うホールコンは、データ収集を行うためのモノです。他方で、ユーザーに遊技状況を説明するためのデータはデータランプにて表示されております。

一般的に台からの出力信号はデータランプを経由してホールコンにデータとして入るため、ホール側が必要なデータとユーザー側が必要なデータは同じデータを扱うことになります。しかしながら、ユーザーが欲しいデータとホールが欲しいデータは微妙に違うことがあり、その出力信号の取り方によって得られるデータが変わることが多いです。

直近の機種では『P真速のガッチャマン』のデータに注目です。株式会社SUNTACのTRYSEMデータによると、同機のBAは330となっておりますが、これは実は少しおかしなデータとなっています。

この機械は、RUSH中が全て10R・1,500発となっています。そのため、1R~10Rまで15個賞球のアタッカーにて10カウント玉が払い出されることで1,500発を獲得することができますが、この機械は1種2種混合タイプで、RUSH中はアタッカー内にある特定領域に玉が入賞することで大当りが発生いたします。

そのため、小当りが実質的には1ラウンド目にあたり、この小当りが発生して玉が入賞した部分も大当り出玉として換算するのがホールの目線になりますが、機械の仕様上では特定領域に玉が入賞して初めて大当りとなるため、一般的にはV入賞後に特賞信号が上がります。

そのため、小当りのV入賞するまでにアタッカーで獲得できた玉は(特賞信号がまだ上がっていないため)大当り出玉に入らず、(連チャン中などは時短信号が上がっているため)BAに上乗せされるということになります。ご承知の通り、P真速のガッチャマンはBAの区間が極端に短いのがウリの機械でもあるので、この少しの出玉の上乗せが大きく影響を及ぼし、BAが極端に上がってしまうというデータになるわけです。

一部のメーカーでは、小当りを含む特賞信号と小当りを含まない特賞信号を配線のつなぎ方によって使い分けることが可能なので、小当り発生から特賞信号を上げることが可能になる場合もあります(しかしながら、万が一小当りからV入賞をさせなかった場合でも特賞が上がってしまうというデメリットはありますが)。

今回のモノは一例ですが、このように配線のつなぎ方や機械によっても出せるデータ、出せないデータもありますので、そのあたりを今一度、見直すことでユーザーがより欲するデータを提供しつつ、自ホールにとってより必要なデータを取ることで日々の営業活動の分析の一助になるのは間違いありません。

◆プロフィール
荒井孝太
㈱チャンスメイト 代表取締役

パチンコメーカー営業、開発を歴任後、遊技機開発会社チャンスメイト(https://chancemate.jp/)を設立。パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、遊技機開発業務の傍ら、ホール向け勉強会や全国ホール団体等の講演会業務など広く引き受ける。

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