【コラム】第1弾機種からみるスマートパチスロ初期の展望

投稿日:

11月下旬から順次導入が開始されるスマートパチスロ(以下スマスロ)の第1弾機種が各社から発表されました(文=ジェイさん@発信する遊技機クリエーター/J-BEAT合同会社代表)。

『バキ 強くなりたくば喰らえ!!!』
『パチスロ 革命機ヴァルヴレイヴ』
『HEY!エリートサラリーマン鏡』
『スマスロリノヘブン』

今回は現在判明している出玉仕様、出玉性能にスポットをあてて、スマスロ初期の展望について解説いたします。

スマスロ初期の展望

結論から申し上げますと以下の3点が挙げられます。

✅各メーカーの出玉性能合戦
✅幅広い機種仕様
✅有利区間仕様がシンプルになる

スマスロはこれまでの6号機の中で最も荒い(射幸性の高い)機械を作れるのが大きな特徴です。まず、良くも悪くもスマスロ初期は、各メーカーの出玉性能合戦が挙げられます。

6号機登場後も5号機を打ち続けていたパチスロユーザー層は、5号機の撤去に伴いパチスロ市場から離れてしまいました。スマスロ初期においては、これらの層をターゲットにした一定の高い射幸性を有した機械が多く出てくる事でしょう。

また、第1弾のスマスロのスペック仕様からも分かるように、出玉のエンジン的な部分の設計の幅が広くなり、ポイントごとにみると様々な機種仕様の機械が登場する事が上げられます(次節で解説)。

一方、6.1号機~6.5号機で複雑化した有利区間の使い方についてはある程度シンプルな仕様になり、有利区間を絡めた内部仕様を理解できる層と、ライト層での知識格差は少なくなると言えます。今回第1弾で登場する4機種も似たような有利区間の使い方をしており、この傾向は基本的に続く事が予想されます。

《スマスロ第一弾機種出玉仕様比較》

現在、発表されているのは4機種ではありますが、大きな純増枚数の幅、大きな出玉率(特に設定6)の幅、ATに関しても色押しAT機と押し順AT機に分かれているのが特徴です。特にスマスロでは、これまで有限の有利区間内では設計が困難であった遊技機規則の上限115%ぎりぎりを攻めた機種も一定数出てきます。

過去の6号機は、同じ規格の中で出玉性能合戦をすると、どうしてもエンジン部分が似通ってしまい、特殊スペックを作ると目新しいものの、出玉性能が劣るといった事になりがちでした。

スマスロでは同じ規格内であっても、一定の出玉性能を担保した上で、これらエンジン部分で差別化された機械が様々出てくることが予想されます。たとえば、高純増を活かして4号機や5号機のノーマルタイプの打感を目指した機種もバリエーションの1つとして考えられます。6号機の遊技機規則内ではノーマルタイプのスペックアップ(出玉性能の向上)は見込めないため、高純増ATを用いた疑似Aタイプ機種もバリエーションの1つとして登場が予想されます。

現時点においては、射幸性の部分に注目が行きがちなスマスロではありますが、こういったゲーム性の幅にも期待していいでしょう。

さいごに

スマスロは4号機や、5号機と比較されがちではありますが、6.5号機で高稼働している『犬夜叉』や『甲鉄城のカバネリ』のように、過去になかったスマスロならではの新しいゲーム性をのせた機械が求められます。

分かりやすさの部分で、過去の機種を意識した機種も多く出てきますが、実際4号機や5号機を完全再現する事は出来ません。過去の仕様や性能に引っ張られるのではなく、スマスロに合った新しいゲームデザインが必要なのです。

スマスロの歴史はまだ始まったばかりではありますが、新しいパチスロの登場に期待して下さい。

◆プロフィール
ジェイさん@発信する遊技機クリエーター
J-BEAT合同会社代表

発信するプロ遊技機クリエーター兼ライター。過去遊技機メーカー3社で勤務。在籍中に10数機種の遊技機開発に携わる。現在は法人を経営しつつ、フリーのクリエーターとして遊技機開発に従事。また、メーカー所属では出来ない発信、評論活動を行っている。
Twitter:https://twitter.com/jsan65536

-コラム
-,

© 2024 グリーンべると(パチンコ・パチスロ業界メディア) Powered by AFFINGER5