【コラム】6.5号機、スマートパチスロの失敗しない導入の仕方とは?

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スマートパチスロの導入に向けた資金需要が増すなか、6.5号機について機種選定方法や、導入台数についての質問が増えています。このタイミングで遊技機導入に失敗すると、競合店に差をつけられてしまうかもしれません(文=三木貴史/エスサポート代表取締役)。

6.5号機以外の6号機の命運は?

お盆休みが明けてもなお、6.5号機の好調は継続しています。一部では、パチンコに流れていたユーザーが、パチスロに戻ってくるといった動きも確認できます。しかし、イベント日であれば『押忍!番長ZERO』『パチスロ バイオハザード7 レジデントイービル』『パチスロ頭文字D』などは高設定狙いのユーザーで稼働しますが、平常日の稼働は相対的に厳しくなっています。今まで人気機種の部類に入っていた機種も稼働が落ち込み、脇役機、バラエティ機種の平均稼働も相当落ち込んでいます。

そうなると、平常日に稼働しているのは『ジャグラー』シリーズ、『ハナハナ』シリーズ、『沖ドキ!DUO』等の年配層の常連比率の高い機種と、6.5号機ということです。『沖ドキ!DUO』は一部の高稼働ホールで重宝している状況ですが、6.5号機の『パチスロ犬夜叉』などに移動してしまったユーザーも多く、今後もシンプルな一撃性の高い機種が6.5号機、あるいはスマスロで登場すれば、それらに移動してしまう可能性も高いと思われます。つまり、6.5号機、スマートパチスロ(以下、スマスロ)の次世代機へユーザーが移行することは疑いようがないとも言えます。

また、6.5号機の機種数が増えてきたことでゲーム性、スペックも多様化してきました。ゲーム性やスペックが多様化すれば、それぞれのユーザーの嗜好性にあった6.5号機が見つけやすくなるため、AT機を打っているユーザーは既にいずれかの6.5号機を遊技しているのではないでしょうか。そして一度、6.5号機を打ってしまえば、過去の6号機を再び打つ気になるかは微妙なところでしょう。

過去の6号機と比較すると、出玉上限が差枚数で2,400枚の6.5号機なら、投資しても一撃で最高+2400枚まで獲得できます。しかし、出玉上限がTYで2,400枚である過去の6号機では、投資するほど見返りが目減りしていくことになります。この差は非常に大きく、過去の6号機に投資することが馬鹿らしくなってしまうと思います。唯一、高設定台なら勝率も上がるため、過去の6号機でも打つ動機にはなりますが、それは高設定が期待できるイベント日だけに限定されてしまいます。それはつまり、先述の通り平常日の稼働は落ち込むことと同義です。

現状の6.5号機で、高設定狙いの客が好む機種は『パチスロ新鬼武者2』『パチスロ甲鉄城のカバネリ』くらいです。そのため、過去の6号機でも高設定狙いを行っていますが、今後6.5号機、スマスロで高設定狙いの機種が増えれば、イベント日ですら稼働が落ち込む状況になりかねません。スマスロが出揃い、年末年始の繁忙期を過ぎたタイミングでこうした状況が表面化してくる可能性が濃厚です。

年末年始の機種戦略は?

上図を参照してください(注:現状確認している情報から作成しています。全5BOXで1列が設置台数の10%にあたる島図です。スマスロはサミーさんの『バイオハザード』は適合が未確認のため除外してあります。なお、ユニバーサルさんの『魔法少女まどか☆マギカ』は年末予定との噂ですが、未確認です)。このように稼働が見込める新台だけ導入するパターンでも、6.5号機とスマスロの設置比率は、バラエティ内のものも含めれば40%を超えてきます。過去の6号機は、『ジャグラー』『沖ドキ!DUO』以外、全てバラエティレベルまで減台しています。

また、10月に登場する『ハッピージャグラーVⅢ』はジャグラーの脇役機として導入しています。このジャグラーを導入するときには、ジャグラー全体の総台数を増台する事にも挑戦したいところです。仮に増台に失敗しても、元の台数に戻せば、圧縮効果で元の稼働に戻るため、『ハッピージャグラー』導入時は、ジャグラー総台数の増台もリスクは少ないと考えます。

ジャグラーの設置比率は30~40%を目安に、バラエティの設置比率を10~20%とすれば、残りの40~50%を全て6.5号機とスマスロに入れ替えることが理想だと思います。そのためには莫大な機械代が必要となりますので、機械選定においての失敗は許されません。しかし、幸いなことに6.5号機、スマスロのニーズは強く、中古価格は高値で推移しています。執筆時の中古価格は以下の通りです。

『新鬼武者2』:約200万円
『犬夜叉』:約160万円
『カバネリ』:約130万円
『閃乱カグラ』:約50万円
『黄門ちゃま喝2』:約50万円
『アクエリオン』:約40万円
『フェアリーテイル2』:約35万円
『鉄拳5』:約25万円
『政宗戦極』:約15万円
『キャッツ.アイ』:約15万円

『新鬼武者2』『犬夜叉』『カバネリ』の中古価格はさすがに高すぎますが、標準的な稼働の『黄門ちゃま喝2』『アクエリオン』『フェアリーテイル2』でさえ定価前後の中古価格をつけています。このように、6.5号機やスマスロであれば中古機のニーズは高いので、評価よりも多めの台数を購入しても早期売却の決断で、損害はほぼ無くすことが出来るのではないでしょうか。

今後の販売スケジュールを確認して、「6.5号機ではないもの」「6.5号機であっても純増枚数が少なく、平均TYが低いもの」は需要という点で除外し、また、稼働急落になりかねないハイエナ機も除外しましょう。参考までに、資産価値があるだろう機械として私が注目している4機種は次の通りです。

『パチスロBOØWY』(9月20日導入)
『パチスロ バイオハザードRE:2』(10月2日導入)
『とある科学の超電磁砲』(11月7日導入)
『パチスロ幼女戦記』(11月7日導入)

これらの機械は中古価格が最低でも定価前後で推移すると予想され、台数が多めでもリスクは無いと考えます。射幸性が高いAT機で販売台数が適正であれば、資産価値的にもリスクが少ないので、そうした台は積極的に導入して、6.5号機、スマスロ比率を早急に高める方が、稼働、利益共に向上していくのではないでしょうか。

◆プロフィール
三木 貴史
㈱エスサポート代表取締役
1972年生まれ。97年中央大学商学部卒業後、パチスロ専門店(神奈川県42台)にて勤務。01年〜06年グループ4店舗を統括部長として指揮、在職中より他店舗のコンサルティングにも携わる。この期間、全ての店舗で稼働平均15,000枚を継続。07年に独立し、パチンコ・パチスロホール運営コンサルタントとしてエスサポートを設立。“ホールの知恵袋”として全国どこにでも出張中。社内外を問わず行うセミナーも好評。

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