大阪市住之江区に本社を置くパチンコホール企業・旭金属熱錬が8月30日、自己破産申請の準備に入った。帝国データバンクが伝えた。負債額は2021年6月期末時点で約31億8,500万円。今後、変動する可能性もあるという。
帝国データバンクのレポートによると、同社は1931年創業。1954年に法人改組した。当初は船舶向け金属部品の熱処理加工を行っていたが、1980年代にホール運営にシフト。《ハイパーアサヒ》《オーロラ》などの屋号で大阪市内のほか、大阪府南部および北摂エリアで11店舗を展開するアサヒグループを形成して規模を拡大。2007年9月期には、売上高約64億1,200万円を計上していた。
しかし、以降は業界不振や同業他社との競争激化で売上が減少傾向で推移。有利子負債の返済が重荷となり資金繰りも悪化した。
2020年以降は、コロナ禍の影響で一時休業を余儀なくされた上、その後も来店客数が低調に推移。グループ全体では不採算店舗の閉鎖や経営権の譲渡を実施したほか、2022年5月にはグループ7社を吸収合併するなど合理化を進めたが、同年7月末に所有不動産に対し債権者から仮差押えが登記されるなど、ひっ迫した資金状況を露呈。事業継続は困難と判断し、今回の事態となった。