【レポート】高騰する電気料金、パチンコホール企業では年間億単位のコスト増のケースも!?

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電力問題がホール営業の課題になっている(写真はイメージ)。

電気料金の値上げによる影響がパチンコホールにも出てきた。特に、割安として活用されていた新電力会社からの値上げ要求が増えている。店舗数次第では年間で億単位のコスト増になるホール企業も出ている。

電気料金に関しては昨年末から徐々に値上がりしていたが、今年に入り、ウクライナ情勢の悪化で火力発電の燃料となる天然ガスの価格が高騰。更に円安の進行などにより、電気料金が一段と上昇している。

なかでも影響を受けているのが新電力会社だ。割安な電気料金がウリの新電力だったが、市場での電力の調達コストが高騰し、それが契約先の企業への提供価格に転嫁されている。パチンコホールでも新電力を活用しているところは多く、契約更新時に値上げを求められるケースなどが出ている。

8年前から新電力会社を活用している首都圏のチェーン企業は、「新電力からの値上げの要望は常にきている。今のところ要望は全て突っぱねているが、それでも燃料調整費の高騰は避けられず、電気代は大幅に上昇した」と話す。10数店舗を運営する同社で、月あたり数千万円レベル、年間では億単位のコスト増になっているという。

近畿圏のホール法人も新電力との契約の基本料金単価が3.9倍、電力単価が1.5倍となり、1店舗あたり月額50万円~60万円、年間700万円のコスト増を想定している。

九州の新電力を活用していた都内のホール企業では、今年4月の契約見直しで割引率が大幅に減らされ、実質17.5%の値上げに。そのため、地域の東京電力の3年契約に切り替えた。

一方、新電力を使っていないホールにも影響は出ている。都内の別のホール企業の役員は、「これまで東京電力の古い契約を高割引率で継続していたが、残念ながら今夏の契約更新で割引が全て撤廃となった。10月以降は約20%の年間料金の値上げとなりそうだ」と表情を曇らせる。東電の割引が撤廃されることで新電力の活用も検討したというが、今後を見据えたとき、東電が値引きを再開した際のメリットのほうが高くなると判断し、契約を継続する予定だという。

高まる電気料金に対し、ホール側ができる防御策は使用電力の抑制だが、前出のホール役員は「本社や店舗の節電はすでにやり尽くしている」として、これ以上の節電はかなり難しいと話す。店舗の節電をやり過ぎて快適性が損なわれてしまうことは稼働等に影響がでてしまいかねないとして「出来ることといえば、省エネ補助金を活用してエアコンを最新にするか、あるいは耐用年数に近付いたLEDを入れ替えていくか。今考えられるのはそれくらい」と、即効性のある節電策はなかなか見込めないのが実情のようだ。

電気料金の値上がりの他にも、今冬は夏以上の供給量不足が懸念されている。当面の電力問題はホール経営にとって大きな課題となりそうだ。

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