【コラム】パチスロ6.5号機の機種選定で役立つ11個の評価指標とは?

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7月に導入された6.5号機が好調な稼働を見せています。今後の新機種にも高い期待を寄せたいところです。今回は6.5号機の機種選定において、評価するべき指標とポイントを考察していきます(文=三木貴史/エスサポート代表取締役)。

6.5号機のチェック項目は?

2,400枚規制のカウントが、MY管理から差枚数管理となり、同一有利区間内でAT(ART)突入するまでに使用したメダル枚数+2,400枚の獲得が可能となった6.5号機。今後も続々と登場してくることに加え、年末には、有利区間ゲーム数上限の撤廃など、幅広いゲーム性やスペックの設計が可能となった「スマートパチスロ」の登場が予定されるなど、パチスロに明るい兆しが見え始めています。

その中で、6.5号機の機種選定が、今後の稼働実績を大きく左右することは想像に難くなく、その選定精度を上げていくことが求められることになります。そこで今回は、6.5号機の新台を評価する際にチェックすべき各数値の意味と、その重要性を解説していきます。

現状、各メーカーが試打段階でホール側に開示する数値は、「①コイン単価」「②AT純増枚数」「③初当たり確率」「④出玉率」「⑤平均TY」「⑥平均MY」「⑦MY単価」「⑧2,000枚OVER率」「⑨5,000枚OVER率」「⑩完走率」「⑪一撃最高出玉」です。

この中で「5,000枚OVER率」「完走率」「一撃最高出玉」は、6. 5号機から新たに開示されることが多くなった指標です。これら各数値のチェックポイントを解説していきましょう。

■コイン単価
荒さの指標と考えがちですが、設定1が単に辛すぎる機種でも、単価は上がる傾向にあります。単価が低くても高設定を使えば、差枚数が大きく伸びる機種もあり、コイン単価と出玉を結びつける意味はありません。コイン単価は単純に売上がどれぐらい上がるのかを捉える数値と考えるべきで、新台評価ではあまり意識すべき数値ではないと考えます。

■AT純増枚数
6号機の規則で「400Gで機械割220%未満」というものがあります。AT機がこれをクリアするには、純増枚数を3.1枚以下にするか、ATの減算区間や無抽選区間を設ける必要があり、制約がない自由なゲーム性を実現するには純増枚数3.1枚以下が必須となります。

それでも純増枚数5.0枚くらいまでなら、セット間の減算区間や短い無抽選区間で、ならし純増を3.1枚以下に整え、ゲーム性を損なわないようにできます。一方、純増枚数が6.0枚以上となれば、必ずゲーム性を損なうほどの無抽選区間が存在しています。加えて、AT中に色目押しが必要となることも一種のマイナス要因です。

ならば純増枚数が低ければいいと思いがちですが、純増枚数が少なすぎる機種も評価できません。6号機の過去の実績も踏まえると、純増枚数は「2.5枚~5.0枚」の範囲が好業績を残す機種の条件だと、私は考えています。

■AT初当たり確率
AT初当たり確率が重ければ、その分、獲得枚数が増え、荒いスランプグラフを描くことになります。出玉上限がないならば、初当たり確率が重くても、投資と見返りのバランスは取れますが、出玉上限がある6号機では「投資が嵩むと取り戻せない」とファンは感じてしまうため、初当たりが重くなれば敬遠される傾向にあります。

その点、6.5号機では差枚数管理となったため、今までよりは初当たりが重くても耐えられると思いますが、それでも上限がある以上、重すぎる確率は評価できません。また、投資金額は千円ベースにも依存するため、確率だけでは判断しにくいので、ATの平均TYから逆算する方が正確です。

■出玉率
設定6の出玉率が高ければ良いというわけではなく、『沖ドキ!DUO』や『チバリヨ–30』のように107%台の低出率機でもヒットしています。しかし、高設定狙いのファンが朝から狙うかどうかは出玉率の高さに依存しており、設定6の出玉率が110%あるかどうかがひとつの基準となるでしょう。

Aタイプについては出玉率が高すぎると設定の高低が分かりやすく、低設定が稼働せずに全体稼働が伸び悩む傾向があります。出玉率は、機種タイプ、客層にマッチしているのかがポイントとなります。

6.5号機のセールスポイントは、差枚数管理による一撃性能であり、6.5号機の良さを活かせば出玉率は上げにくく、今後、出玉率の高い機種の登場頻度が減るかもしれません。

■平均TY
6号機においては、平均TYがヒットするための重要な指標となっています。出玉上限がなければ「ハイリスクハイリターン」のスペックバランスが通用し、平均TYが高い機種がギャンブル好き層に支持されますが、6号機では投資と見返りのバランスが重要です。

平均TY、設定1の出玉率、千円ベースで初当たりの平均投資額が算出できるため、平均TYひとつで「投資」も「見返り」も、その平均を把握することができるでしょう。6号機の過去の実績から、平均TYは「400枚~800枚」、高すぎず低すぎない範囲がヒット条件と考えます。

■平均MY
平均TYと並んで重視したい数値が、この平均MYです。平均TYでは、投資と見返りのバランスの平均を知ることができますが、それはあくまで平均であり、平均TYが500枚でも3回分の出玉が「500枚、500枚、500枚」なのか、はたまた「1200枚、200枚、100枚」なのかで、その印象は大きく異なります。

平均MYは、1日のスランプグラフの上下幅の最大値の平均値であるため、その機種の出玉の荒さ、ポテンシャルを測ることができます。平均という言葉が用いられていますが、1日の最大値の目安であり、設定1の平均MYが大きいほど、設定不問の出玉性能に期待できます。ただし、設定6の平均MYは出玉率に依存するため参考にはならず、あくまで設定1の平均MYを参照したいところです。

平均TYと平均MYをセットで見ることで、投資と見返りと一撃性能を全て把握することができ、その機種が描くスランプグラフを推測することができるため、6.5号機では特に重視したい指標です。

■MY単価
MY単価は一時期もてはやされた指標でしたが、機種ごとの差が小さく、ヒット機種との相関関係が見出しにくく、最近では取り上げられることが少なくなってきています。特に気にする必要はない指標だと考えます。

■2,000枚OVER率、5,000枚OVER率
2,000枚OVER率は以前から開示される機種が多かったのですが、6.5号機では5,000枚OVER率が開示される例も出てきました。

この指標は特に出玉性能に自信がある機種のセールスポイントとして用いられますが、全ての機種で開示されるわけではなく、比較対象としては用いにくい指標と言えます。平均MYと〇〇〇〇枚OVER率は、広義では同じのため、ほぼ全ての機種で開示される平均MYを指標とする方が活用しやすいでしょう。

■完走率、一撃最高出玉
これらは6.5号機だからこそ、確認すべき指標です。同一区間内の最大吸い込み枚数+2,400枚が一撃最高出玉となりますが、それはあくまで最高値であり、そこまで吸い込む頻度と、完走する頻度も合わせて考える必要があります。天井が深いだけで天井到達率が低く、完走率も低い機種では、どれだけ一撃最高出玉が大きくても、それを体感することはできません。

また、『アラジンクラシック』『チバリヨ』のように、有利区間が切れた後が強い機種では、一撃最高出玉はあまり意味がなく、有利区間をまたいで未知数の一撃最高出玉を有しているとみることができます。

営業資料で「一撃5,000枚!」のような一撃性能を強調するような機種では「完走率」もしっかり確認することで、一撃出玉を現実的に体験できるのかどうかが分かり、正しい機種評価につながるでしょう。

これらをまとめると、今後の6.5号機の機種選定のために重要な指標は「AT純増枚数」「平均TY」「平均MY」の3点であり、それら以外の数値は補助的なものと捉えましょう。

◆プロフィール
三木 貴史
㈱エスサポート代表取締役
1972年生まれ。97年中央大学商学部卒業後、パチスロ専門店(神奈川県42台)にて勤務。01年〜06年グループ4店舗を統括部長として指揮、在職中より他店舗のコンサルティングにも携わる。この期間、全ての店舗で稼働平均15,000枚を継続。07年に独立し、パチンコ・パチスロホール運営コンサルタントとしてエスサポートを設立。“ホールの知恵袋”として全国どこにでも出張中。社内外を問わず行うセミナーも好評。

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