2022年4月、「有利区間ランプ」がなくなった6.4号機が市場投入されました。これに加え、一有利区間の差枚数上限の定義が「MY」から「差枚」へ変わった6.5号機の適合情報が続々と出ています。今回は「有利区間ランプ」が撤廃されるにあたり、これまでの搭載メリット、デメリットを振り返りながら今後の機種仕様の展望について解説していきます。(文=ジェイさん@発信する遊技機クリエーター/J-BEAT合同会社代表)。
目次
有利区間ランプ搭載メリット(+)
有利区間ランプの搭載メリットについては、大きく以下の2点が挙げられます。
・設定変更(据え置き)が分かりやすい
・ヤメ時が分かりやすい
さらに、設定変更(据え置き)が分かりやすくなった事で
・店側が積極的に設定変更を行うようになった
・据え置きを用いた朝からの高設定投入アピール
など、5号機後半にはなかった新しい文化が生まれたといえます。
有利区間ランプ搭載のデメリット(-)
メリットとデメリットは表裏といった所で、同時に大きなデメリットも生まれました。
これまで4号機、5号機のパチスロ文化は
・高設定狙い
・天井狙い
・天国狙い
・ゾーン狙い
・波理論やオカルト的な狙い方
など、様々な打ち方(遊び方/狙い方)を提供する事で稼働のサイクルを形成していました。
これが、有利区間ランプが搭載された5.9号機以降は「有利区間ランプが消灯するまで打つ」といった、立ち回りがたった一言に集約できるようになった事で、詰まる所ほとんど全てのユーザーが最終的に同じ打ち方になっていったのです。
6号機で初動がよい機械でも、有利区間ランプが起因して内部のカラクリが露見し、急に稼働が止まるといった機種も幾つか思い当たるのではないでしょうか。
有利区間ランプ搭載機の進化
その中、有利区間ランプを使ったゲーム性、出玉仕様も進化をとげて
・普段消えるタイミングで消灯しなければチャンス(引継ぎ仕様)
・有利区間ランプが消灯すればチャンス(有利区間頭優遇仕様)
と、仕様のアップデートが行われていきます。
これは、序盤の有利区間ランプ搭載機と比較すると確実に進化といって間違いありません。一方、より仕様を理解できる層(情報強者)が有利になっていく時代になっていきます。
これによる閉塞感が、現状の6号機市場の現実ではないでしょうか。
有利区間を完全に意識しないゲーム性
この閉塞感を打開する仕様が、この有利区間ランプの撤廃となります。
今後リリースされる6.5号機仕様の差枚管理タイプのパチスロは、差枚情報を含む全ての情報がクリアされる「有利区間の区切り」が、これまで以上のネガティブポイントになり得ます。
しかし、有利区間を使った出玉仕様の進化や、この有利区間ランプ撤廃とを合わせる事で「有利区間の区切り」を感じさせない仕様の機械が出てくるのです。
打ち手の中にはこれまでの経験を考慮しながら、どこで有利区間が切れるか等の考察を踏まえた立ち回りも行うでしょうが、それも幅広い立ち回りのうちの一つとなります。
つまり、打ち手により様々な狙い方、ヤメ時を提供出来る可能性が広がるという事です。
有利区間ランプがなくなる事で、一部デメリットを感じる声もありますが、それ以上の優位性を感じられる新しい仕様、ゲーム性を搭載した機種が今後生まれてきます。
一撃2400枚を超える性能を持つ差枚管理に注目されがちな6.5号機ですが、有利区間ランプが撤廃され、これまでになかった様々な遊び方、出玉の出し方、駆け引きが搭載されたパチスロの登場に期待して下さい。
◆プロフィール
・ジェイさん@発信する遊技機クリエーター
J-BEAT合同会社代表
発信するプロ遊技機クリエーター兼ライター。過去遊技機メーカー3社で勤務。在籍中に10数機種の遊技機開発に携わる。現在は法人を経営しつつ、フリーのクリエーターとして遊技機開発に従事。また、メーカー所属では出来ない発信、評論活動を行っている。
Twitter:https://twitter.com/jsan65536