【コラム】6号機パチスロの低ベース化について

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今回は最近の6号機パチスロの「低ベース仕様」について解説させていただきます。(文=ジェイさん@発信する遊技機クリエーター/J-BEAT合同会社代表)。

はじめに

6号機初期のAT機は、約50G/50枚ベースの機種が主流でした(=高ベース機)。

それが、6.1号機でペナルティーの緩和が行われた事で、そこから10G以上低ベース化した性能が搭載可能となりました。

6.1号機による低ベース化

まず、当初の6号機が高ベース機となっていた大きな理由は、「400Gで獲得する遊技メダルが投入したメダルの1/3倍を超えないといけない」といった規則によるものです。こちらが俗にいう下限試験です。

こちらの規則に対応するため、6号機初期は高ベース機が主流となり、6号機AT機はハマらないと出ない、間延びするといった印象の機械が多く登場しました。

これを打開すべく登場したのが、6.1号機です。

6.1号機ではペナルティーの緩和が行われ、これに対応する事でベースが30~40Gの機種が登場するようになりました。

この6.1号機のベースが低くなる遊技方法の搭載に伴い、初当たり確率を上げるなど6号機序盤とは違ったAT性能を上げた機種の開発が可能となったのです。

ポイントは法律が変わったわけではなく、ペナルティーに関する自主規制が緩和されたという事です。つまり出玉試験において緩和されたわけではなく、それに対応した下限試験が行われ、これまで同様、厳しくチェックされる事に変わりはありません。

下限試験に関しては、低ベースに対応した打ち方をしても基準を満たさなければいけません。そして、低ベース化した事で向上した出玉性能も、当然これまで同様に法律で定められた範囲に納める必要があります。

特に大きく影響が出たのが、6.1号機までは出玉率が低くなる打ち方をした場合、出玉上限に引っかかる事は基本的にはあり得なかったのが、6.1号機以降は下限試験をクリアしつつ出玉上限のケアが必要となった事です。

そこで、これに合わせて搭載され出したのが、以下の様な仕様となります。

特徴 搭載機種例
設定L 出玉上限に抵触しないAT設定
→営業で使える設定が1段階減る
うしおととら 雷槍一閃

牙狼‐黄金騎士-

目押し疑似ボ AT開始時等に目押しが必要
→目押しが出来ないとゲームが進まない
ANEMONE

押忍!番長ZERO

押し順当てAT AT開始時等に押し順当てが必要
→正解出来ないとゲームが進まない
主役は銭形3
ルパン三世
色押しAT AT役に目押しが必要
→目押し頻度大
GANTZ極

戦国乙女 暁の関ヶ原‐DARKNESS-

これらの仕様は、時に市場でネガティブに捉えられる機能ではありますが、低ベース化された現行機において自然な発想で搭載された仕様でもあるのです。

最後に

パチスロの型式試験では様々な検査項目があり、1つでも抵触すると不適合になります。

少しでも良い性能の機械が求められている6号機パチスロ市場において、今後もこれらの仕様を搭載した機械は多く出てくると考えられます。

設定Lや、目押しが必要なAT仕様は、ときにネガティブに捉えられる仕様ではありますが、低ベース化で得た6号機パチスロのスペック性能向上に欠かせない仕様となっているのです。

今後6号機AT機を打つ際、購入する際はこれらどういった仕様が搭載されているのか事前に確認してみてはいかがでしょうか。

◆プロフィール
ジェイさん@発信する遊技機クリエーター
J-BEAT合同会社代表

発信するプロ遊技機クリエーター兼ライター。過去遊技機メーカー3社で勤務。在籍中に10数機種の遊技機開発に携わる。現在は法人を経営しつつ、フリーのクリエーターとして遊技機開発に従事。また、メーカー所属では出来ない発信、評論活動を行っている。
Twitter:https://twitter.com/jsan65536

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