一般社団法人余暇環境整備推進協議会(佐藤正夫代表理事)は、内閣官房ギャンブル等依存症対策推進本部事務局が今年2月4日から2月23日までの間にパブリックコメントを実施していた「ギャンブル等依存症対策推進基本計画(案)」に対して意見を提出した。
リリースによると、基本計画(案)の「第一章 ギャンブル等依存症対策の基本的考えた方等」については、「ギャンブル等依存症対策は、依存症の現状に係る調査が不十分であること等から、『ぱちんこにおける取組』を対象とすることには賛同できず、再考を求める」と意見した。その上で、現行基本計画の下で実行された対策が依存症対策に及ぼす効果が検証されていないとして、現状においては「自主的な取組に任されるべき」と主張した。
あわせて、ぱちんこをギャンブル等依存症対策の対象とすることに賛同できない理由として、(1)現行基本計画が合理性のない過度な規制であること、(2)ギャンブル等依存症の定義や因果関係が不明瞭であること、(3)ギャンブル等依存症の現状に係る調査が不十分であり、これまでの取組の効果が不明であること、(4)ぱちんこを依存症対策の対象とする合理的理由がないこと、などを列挙した。
また、基本計画(案)で示された「ぱちんこにおける取組」については、「当該取組が依存症対策にどのように効果を有しているのか、また当該取組にかかる従事者や費用の負担者及びその金額が適切であるか等について客観的な根拠をもとに検討されるべきである」と指摘した。
「ぱちんこにおける取組」の「第2・1 自己申告・家族申告プログラムの運用改善と利用促進に向けた広報の強化」については、「本人の個人情報、プライバシー、自己決定権等を侵害するおそれのあるものであり、本人、家族、ぱちんこ事業者との間でトラブルに発展するおそれもある」などと指摘したほか、「取組を求める政府としてどのようにリスクを負担するのかが明確にされていない」とした。
その他、「第3・1 ぱちんこ営業所のATM等の撤去等」について、「第3・2 出玉規制を強化した遊技機の普及、出玉情報等を容易に確認できる遊技機の開発・導入」についても、賛同できない理由を示したほか、文言の修正を求めるなどした。
ギャンブル等依存症対策基本法では、ギャンブル等依存症対策推進基本計画について3年ごとに検討を加え、必要があると認めるときにはこれを変更しなければならない、としている。今回の基本計画(案)は、この基本法の規定に基づき、競馬、競輪・オートレース、モーターボート競争、ぱちんこの過去3年の取組に対して評価を行い、今後の目標や具体的取組を新たに示している。新しい基本計画はパブリックコメントを経て、今年4月を目途に策定される予定。