パチスロ完全6号機時代、ジャグラーの設定運用に変化は見られたのか?【コラム】

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今回はこれまでの機種に特化したコラムとは違い、5号機ジャグラー撤去の裏で起きている、6号機ジャグラーの設定調整・運用について、設定の使用比率の変化を中心にお話したいと思います(文=飯田信一/メイドインサービス)。

アイムジャグラーEX-TP

まずは『アイムジャグラーEX-TP』から見てみましょう。下表は5号機ジャグラー撤去前の今年1月と、5号機ジャグラー撤去後の今年2月における各設定の使用比率、平均投入枚数(稼働)、出玉率(実績値)をまとめたデータとなります。

・2022年1月集計(5号機ジャグラー撤去前)

設定使用比率平均投入出玉率
41.7%7,470枚97.5%
24.3%7,246枚98.5%
25.1%10,350枚100.0%
4.6%11,657枚101.5%
3.2%16,947枚104.3%
1.1%16,659枚105.2%

 

・2022年2月集計(5号機ジャグラー撤去後)

設定使用比率平均投入出玉率
45.2%9,359枚97.4%
22.0%10,531枚98.5%
23.3%12,508枚100.0%
3.3%14,748枚101.6%
4.8%18,459枚103.9%
1.4%22,211枚106.7%

まずは『アイムジャグラーEX-TP』ですが、設定の使用比率を確認すると、残念ながら大きく変化はありませんでした。むしろ設定は下がっているような印象すら受けます。皆さんの予想とは裏腹に?5号機ジャグラーが撤去になり、6号機だけで運用しなければならいホールの現状のため、主力であるジャグラーシリーズでさえ、粗利確保を優先しなければならないという課題があります。6号機のAT系機種だけでは、到底目標の粗利額を確保できないという明らかなスペック的な問題があります。

同時に5号機ジャグラーが撤去になったこと、6号機ジャグラーの台数がまだ不足している事などの影響もあり、5号機ジャグラーユーザーが6号機ジャグラーに移行してくれているという裏付けが、各設定の平均投入枚数を押し上げている要因になっています。

6号機だけになって、大きく設定を上げなくても自然増という形で6号機ジャグラーの稼働が上昇しているため、ホール側もあえてあえて設定を下げるという現象が起きてしまっているのだと思います。

とは言え、設定④⑤⑥の高設定域の使用比率は上昇していますので、より上下振りの設定調整が増えてきているという事も確認できます。高設定を魅せる設定調整手法が『アイムジャグラーEX-TP』において、今後しばらく続く傾向かと思われます。

ファンキージャグラー2

それでは次に『ファンキージャグラー2』です。『アイムジャグラーEX-TP』同様、設定の使用状況などを比較してみました。

・2022年1月集計(5号機ジャグラー撤去前)

設定使用比率平均投入出玉率
44.7%9,087枚97.5%
34.1%8,670枚98.8%
17.5%11,790枚100.5%
1.8%17,355枚102.7%
1.9%19,280枚104.6%
1.2%24,937枚110.1%

 

・2022年2月集計(5号機ジャグラー撤去後)

設定使用比率平均投入出玉率
44.5%10,847枚97.6%
31.9%11,434枚98.8%
16.8%14,151枚100.7%
2.3%19,138枚102.8%
3.1%22,548枚105.4%
1.4%25,590枚110.6%

『ファンキージャグラー2』も、1月と2月の設定使用比率は大きく変化がありません。おそらく、その理由も同じです。設定を大きく上げる必要もなく、稼働が自然増という形で上昇し、一定の利益確保を実施せざるを得ないという背景が強く影響していまね。
若干、高設定域の使用比率が上昇している点も、『アイムジャグラーEX-TP』と同様の傾向です。

アイム系と違い『ファンキージャグラー2』は、出玉率も出玉性能も高く、比較的若いユーザーも遊技します。その分、設定⑤⑥の投入枚数が非常に高く、打ち切っている様子がうかがえます。今後も同様に高設定と判断された台は、閉店まで打ち込まれる可能性が高く、ホール側としても非常に使いづらい設定になってきます。

中間設定をどのタイミングで、どのくらいの台数使用するか?というのが調整担当者の腕の見せ所になってきそうな予感がします。

マイジャグラーⅤ

では、最後に『マイジャグラーⅤ』を見ます。

・2022年1月集計(5号機ジャグラー撤去前)

設定使用比率平均投入出玉率
39.8%11,030枚97.4%
30.2%11,235枚98.4%
20.6%15,246枚100.4%
6.1%17,081枚103.7%
2.3%21,390枚106.1%
1.0%25,100枚109.9%

 

・2022年2月集計(5号機ジャグラー撤去後)

設定使用比率平均投入出玉率
39.3%12,764枚97.5%
30.2%12,644枚98.5%
22.4%15,996枚100.3%
4.3%16,754枚103.2%
2.1%21,126枚106.3%
1.7%25,776枚110.8%

『マイジャグラーⅤ』も結果的には先述の2機種と同様の傾向が出ていますね。但し、他の2機種よりもそもそも稼働・人気が高い同機ですから、「稼働の上昇率」という面では大きく変わらない印象です。逆に高設定の割合が下がっているようにも見えます。
『ファンキージャグラー2』と同じように、高設定の打ち込みはかなり高いと言えます。

ジャグラーシリーズとは言え、出玉率110%を超えるファンキーやマイジャグは、特に若いユーザーさんにとっては非常に魅力的に映るはずですし、他のAT機と比較しても高設定に出会える確率は高いと考えられています。ジャグラーシリーズという位置付けが、ユーザー間でも大切に扱われている主力機種、という強い認識が働いている結果だと思われます。

今後のジャグラーシリーズの運用については、「高設定で出玉を魅せる運用」と、「中間設定で客滞率を伸ばす運用」の2つの方向性で方針が大きく分かれてくると思います。「自店のジャグラーユーザーに対して、どんな方針で3年以上運用するのか?」、競合店の運用方法と比較しながら進めて頂けたらと思います。

最後に、旧規則機の撤去前と撤去後(1月と2月)、上記ジャグラー3機種(アイムジャグラーEX-TP、ファンキージャグラー2、マイジャグラーⅤ)における合算の設定使用比率を見てみましょう。

・2022年1月集計(5号機ジャグラー撤去前)

設定使用比率
41.6%
29.0%
22.0%
4.2%
2.5%
0.7%

 

・2022年2月集計(5号機ジャグラー撤去後)

設定使用比率
43.1%
27.9%
22.3%
3.2%
2.9%
0.6%

結論、1月と2月の6号機ジャグラーの設定比率は・・・ほぼ同じでした。。。

2月に入り6号機だけの運用となったジャグラーシリーズですが、5号機の撤去に伴い稼働の自然増という状況が、大きく変わらない設定運用に反映された形で、今のところは進められているという認識で間違っていないと考えます。

但し、今後のジャグラー運用は非常にデリケートになっていくと思います。理由は、ジャグラーシリーズの設置台数が徐々に増加していくと考えられるからです。既存ジャグラーの増産、『ハッピージャグラー』や『ゴーゴージャグラー』シリーズの販売なども噂されています。

今は比較的、稼働の高いジャグラーシリーズですが、台数が増えればホール間の格差も広がります。今後の新台、増台や増産によるジャグラーの飽和状態が設定調整にも大きく影響しますので、適正な未来予測のもと、今後のジャグラーコーナーの運用を今から検討してください。

しかし、ジャグラーに設定を使わないことが「悪」というわけではありません。当然、自店の粗利確保やその他の設置機種とのバランスが大事です。これからの6号機時代は、ジャグラーだけに頼らない運用も同時に模索していかなければなりません。自店のポジショニングをより明確に、エリア内のユーザーに伝えることも忘れずにお願いします。

◆プロフィール
飯田信一
1975年、東京生まれ。好きなパチスロ機は『ひぐらしのなく頃に祭』『HANABI』『ガメラ』など。パチスロ運営に関わるコンサルティグ業務、セミナー講師、メーカーの開発・販売支援などに従事。パチスロ運用のご相談は、メールアドレス(iida777@mis1979.com)まで。

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