さようなら5号機、CR機…パチンコ業界は完全新規則時代に【レポート】

投稿日:2022年2月1日 更新日:

ついに、この日が来た。2018年2月1日の新規則施行以降、4年間に渡る旧規則機の経過措置期間が1月31日をもって満了。2月1日から完全新規則機時代を迎えた。パチンコ店にとって、これからがまさに正念場だ。

1月末の深夜、多くのホールが旧規則機の撤去作業に追われた。経過措置の最後の期間までホール営業を支えた『ぱちんこCR真・北斗無双』『CR真・花の慶次2 漆黒の衝撃』『マイジャグラーIII』『SLOT魔法少女まどか☆マギカ2』『押忍!番長3』『パチスロ聖闘士星矢 海皇覚醒』といった名機が、業界関係者およびファンに惜しまれつつも姿を消した。

昨年12月末の時点で全国のホールに残存する旧規則機は約68.3万台。業界団体は、遊技機の適正処理の問題から、これまで再三に渡り計画的な撤去を呼びかけてきた。しかし、ホール側は営業的な兼ね合いもあり、入替は期限ギリギリに集中した。入替の集中により、中には入替業者の手配が十分といかず、店舗スタッフも交えて、総がかりで入替作業に当たるホールや、閉店時間を早めて対応に当たるホールもあった。

撤去した旧規則機をトラックに詰め込む店舗関係者。

ホール関係者は「特にパチスロの今後について不安が大きい。難しい営業になると思うが耐えていくしかない」と話す。また別のホール関係者も「これまで自店でのパチスロの稼働割合は、5号機が2に対し、6号機が1の割合で推移していた。2月以降、5号機を打っていたお客様が全ていなくなるとは思っていないが、どこまで稼働が下がるか、まだ見えない。パチスロの売上はコロナ前に比べ、これまで3割減ほどだった。ここから、さらに1~2割ほどの減少じゃ済まないかもしれない。利益をパチンコで補うしかないが、それも既に限界レベル」と嘆いた。

閉店ラッシュ

旧規則機の撤去期限である今年1月は特にホールの閉店が目立った。調査会社の関係者は「弊社が把握しているだけでも130店舗以上、実際は150前後ほどが閉店したのではないか。昨年の1月に比べて1.5~2倍ほど多い」と状況を説明する。

今後、ホール数はどう推移していくのか。ホールのM&A事情に詳しいコンサル関係者は「昨年の夏以降、廃業したいお店からのM&Aに関する問い合わせが急増したが、なかなか買い手が見つからず、営業を続けざるを得ないホールが今もたくさんある」と話す。また別の関係者も「賃貸契約の満了が多い3月に、閉店を予定するホールも少なくないのでは」と見ている。

先のコンサル関係者は「遊技機の情勢しだいのところもあるが今後、2~3年間で7,000店舗前後まで減り続けるかもしれない」と見通した。

一方、別のコンサル関係者は「ホール数の減少は続くだろうが、新店の数だけ見ると、今年の夏以降は増えていくかもしれない」と話す。同氏は「パチスロ人気の低下に一定の歯止めがかかれば、ホールの出店意欲は回復するだろう」と理由を説明した。

6.5号機に期待の眼差し

言うまでもなく現状、パチスロ営業が非常に苦しい。多くのホールにおいて今後の営業の目途も十分に立っていない。実際、東京都内では《エスパス渋谷スロット館》《グリーンピース新宿本店》といった有名パチスロ専門店が、1月末をもって閉店(※エスパス渋谷スロット館は近隣の系列店に統合)を決めた。

現在、ホール関係者による期待の眼差しが、自主規制の変更に対応したパチスロ機に注がれている。市場の低迷が長引いたことで日電協では、昨年を中心にパチスロ自主規制を相次いで緩和。とりわけ、2,400枚規制の算出方式を、MYから差枚数に変更した点に注目が集まっている。

2,400枚規制の算出を差枚数に変更した6.5号機仕様のパチスロ機は、今年1月中旬から保通協など各試験機関への申請が可能となった。早ければ5月から6月にかけて市場に登場するかもしれない。

願わくばそれまでを繋ぐヒット機の登場にも期待したいところだが、ホールの新台に対する購買意欲は、上半期は特に弱く、その分を下半期に充てる傾向にあるという。あるコンサルタントは「6.5号機が登場するまでに、どこまでお店の営業力を高められるかがポイント。固定費の削減、機械に頼らない集客力など、自力の底上げを実現したホールほど、その後の業績拡大を勝ち取れるだろう。簡単ではないが、残存者利益を最大化できる可能性は十分にある」と話す。

年末にリニューアルした都内ホールの店長は「ウチは地域一番店でない以上、変革期の方がチャンス。地域内における競合ホールとの強弱関係を変えられる可能性は、今後のほうが高い。常連客はもちろんだが、新規のお客様を逃さず、1人でも多く自店の客とすることに注力していきたい」と語った。

続ける以上は諦めない。そして準備を怠らず、虎視眈々と浮上のキッカケを狙っている。

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