【コラム】年始年末営業のためのクロスメディア戦略

投稿日:2021年12月15日 更新日:

失敗しない売り場プロモーション①(文=野島崇範/プラスアルファ専務取締役

ここ1~2年、パチンコ店の売り場プロモーションの傾向を弊社の全国1,000店舗調査の統計データから見ると、Twitter/LINEなどSNS告知のポスターやPOPの店内掲示量が緩やかな増加傾向にあります。店長を含めた経営幹部の皆様にとっては、これは言わずもがなといった印象ではないでしょうか?

しかし、ここで重要になってくるのは、その各メディアへの連動性を高めているのかという点です。つまり、Twitter・LINE・YouTube・大当り情報公開サービスなどWEBメディアをはじめ、チラシや郵送DMなど紙メディアを組み合せた広告戦略を実施しているかどうかということです。

これをクロスメディア戦略と呼びます。各メディアの相乗効果を引き出し、1つの媒体だけでは届け切れない、より幅広い層の顧客に認知を高めることを目的とした広告戦略です。

現在のパチンコ店の状況を見ていると、ほとんどクロスメディア化されていません。LINEのリッチメニューでTwitterや大当り情報公開サービスのリンクを貼っている程度です。メディアが単独で存在して、各メディアの連動性を考えずに、複数のメディアを使って情報発信を行っているだけです。これはクロスメディア戦略とは異なり、「メディアミックス」と呼びます。

メディアミックスだけで満足していませんか?認知拡大のためには、複数媒体で情報発信した方が良いですが、複数のメディアがあるのに、組み合せないのは非常にもったいないです(※その理由は次回の当コラムに掲載します)。

消費行動の理論(AIDMAの法則やAISASの法則など)によると、消費行動の起点は「Attention:認知」です。認知される母数が増えれば、消費行動に繋がるお客様の総数も増えます。そのため、永続的な収益を残して、企業および店舗存続するためには、認知拡大を狙うことが極めて重要です。

かくいう私も、実はメディアミックスだけで満足していました。昨年から本格的に始めたYouTubeや、LINEなど複数メディアを強化しただけで、お客様からの問い合わせが増えたため、やり切っているつもりとなっていました。

クロスメディア戦略とは最新の考え方ではありません。私自身その言葉の意味や考え方を知っていたのに、クロスメディア化させることに意味があるのか甚だ疑問でした。きっとこのコラムをご一読頂く皆様も、今まさに同じ気持ちではないでしょうか?

しかし、改めてメディアミックス化したものを繋ぎ合わせて、2021年11月からクロスメディア化させました。弊社のLINE「売り場と広告の研究所」をご登録頂いている方は、その変化にお気付きではないでしょうか !?

結論、クロスメディア化させて、問い合わせが年間平均値の2.8倍増加しました。2021年2,000名以上が受験した売り場プロモーション診断士検定開催中にも関わらず、受験者が急増しました。

過去、申込は受験開催前までに収束します。それが、クロスメディア戦略を駆使することで、売り場プロモーション診断士検定の認知が広がり、お申込みが増えたのです。クロスメディア戦略を軽視していました。私の努力不足と行動不足を痛感しました。認知拡大が消費行動の起点です!!

まず直ぐにできることは、クロスメディア戦略化するために、紙メディアおよびWEBメディア全てをクロスメディア化して、あなたのお店をより多くのお客様に認知して頂きながら、年始年末営業を迎えてください。クロスメディア戦略は奥が深いです。今回は表層の部分しか話せていません。次回からより詳細に解説します。

◆プロフィール
・野島崇範(のじま たかのり)
1983年三重県生まれ。北海道教育大学卒。全国のホールを年間1,000店舗以上調査し、その中から繁盛店に共通する法則を見つけ出し「伝達力」と定義。「伝達力」調査の分析に基づき、お客様立場の徹底と継続の重要性を、支援先ホールの全スタッフと共有する。また、売り場ランチェスター戦略の第一人者として、科学的に売り場の支援を実施。売り場の書籍「あなたの売り場、太っていませんか?」を発売。

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