【レポート】パチスロ“6号機ショック”は不可避の展開か

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着々と切替が進むパチンコを尻目に、依然として新規則機移行に向けた入れ替えが滞っているのがパチスロだ。5号機への移行時に生じた市場の落ち込み同様、2022年1月末を発端とする“6号機ショック”の訪れは、もはや不可避の展開となりつつある。

6号機設置後ほどなく倉庫も
やりくりは保有する5号機で

10月末の段階で、パチスロ新規則機への移行比率は62.6%と、21世紀会のパチンコ・パチスロ合算目標値85%に、22ポイントほど及ばない状態で進行している。

月を経るごとに目標値との差は拡がっていて、来年1月を迎えた段階でも、このまま劇的に数値が改善することはなさそうな展開だ。なお、最も進んでいる県は群馬県の71.6%、もっとも遅れている県は、沖縄県の35.3%と地域差が目立つ。

いうまでもなく、移行停滞の最大要因は、新規則機である6号機を用いた営業の厳しさにある。パチスロ営業支援のコンサルタント関係者もその点を踏まえ、「ギリギリまで5号機を用いた営業で勝負していく必要があるだろう。1月下旬に入っても、できれば4〜5割ぐらいの5号機を保っていければ」と推奨しているという。

ホール関係者も、「今の段階で、競合店との戦いを考えれば、5号機を外して6号機で埋めるという戦略では、勝負の土俵にすら上がれなくなる。しばらくは、自店が保有している5号機だけではなく、系列店も含め、幅広い5号機ラインナップで、どれだけ期限まで有効活用できるかが重要だろう」と見ている。

実際、新台で導入した6号機を、新台効果が薄れてきた頃に一旦外し、その分を倉庫などで保有している5号機再設置で手当する、という対応を繰り返しているホールは決して少なくない。取りも直さず、パチスロ新規則機の設置比率が伸び悩んでいる背景には、パチスロ営業における各店舗の生き残り戦略がある。

その一方、5号機中心の営業を敷きながらも、6号機の新台は、引き続き定期的に導入していく必要性が一定程度あるとするホール関係者もいる。

「1月末まで、5号機にすがって営業することに変わりはない。しかし、6号機の新台導入を続けていくことは必要だろう。もちろん多台数の導入はできないし、初日の朝一が稼働ゼロということもある。

加えて、結局店内移動で終わってしまうことも多々あるが、出る出ないを別にして新台で遊びたいという客層が確実に一定数存在している。昔のように新台入替で店側が赤を打つこともないのに、新台だからという理由だけで遊んで貰えている。

これは店にとって大きな価値。逆に言えば、それを提供しない店は、その価値が一つ少ないということだ」と、規模の多寡にかかわらず、新台入替がもたらす店にとってのプラス効果は、客の離脱防止対策に繋がってくることもあり、軽視することはできないという。

ヒットタイトルとなった『チバリヨ-30』。

完全6号機時代を見据え、店ごとの戦略策定カギに

すでに、来年2月以降の完全6号機時代を見据え、どう滑り出していくかを模索する動きも見え始めている。

もっとも、完全6号機時代の業績予測はかなり厳しく見通されており、一部パチスロコンサル関係者などでは、粗利2,000円を巡る攻防になるのではないか、という意見が大勢だ。

「正直、粗利2,000円でパチスロ営業をなり立たせることはかなり難しいだろう。ただ、多少前向きな話をするなら、今の6号機の業績は、5号機があるなかでの数値であるということだ。そのため、2月以降6号機の業績は改善していくだろうし、コイン単価が3円を超えるタイトルも出てきている。それに、ジャグラーに関しては、6号機に移行しても、5号機時代とそこまで遜色ない業績で推移するのでは」と予測する。

注意点としては、6号機は設定を入れていても伝わりづらい傾向があることから、2月前の段階で放出するタイミングを見極めておくことが重要だという。

その一方、業績低下を踏まえた体制を整えざるを得ないというホール関係者は、「スペック自体は受け入れるしかない。足りない分をパチンコで補うことになるのは今と同じ。そのため、6号機時代への対応というよりは、新規則時代への対応だ。あとは、これまで以上の経費削減に会社全体で取り組むことになるが、これも今と同じ」という。経費削減対象の多くは、遊技機入れ替え頻度の抑制に向かい、入れ替えも、なるべく中古機を活用してしのいでいく方針だ。

もっとも営業に対する不安感が拭えないのは別のホールでも同じで、「市場から5号機が完全になくなれば、6号機の業績は、今より良くはなるだろうが、パチスロ全体の業績は今より落ち込むだろう。そんな状態にも関わらず、今の価格で新台入替を行ったら、それこそパチスロ営業自体が無理ゲーだ」と、憤りと諦めの入り混じった表情を覗かせている。

2004年改正の経過措置満了後に業界を襲った5号機ショック時は、2,000店を超えていた専門店がたった3年で半分以下に減少した。パチスロ復活の兆しが見られたのは、規則施行からおよそ5年後の2009年。同年8月発表の『パチスロ交響詩篇エウレカセブン』などで、巻き返しが図られていくことになるが、その間、多くの企業が業界を去っていった。

このことは、やはり機械が業況を左右する部分が大きいということを如実に表しているのと同時に、風適法の枠内にあるホール営業において、遊技機運用以外の範囲で、活路を見出すことの難しさを浮き彫りにもした。

翻って今を見れば、2020年末の段階で専門店は832店舗。とかくパチンコへの逃げ道がない専門店にとって、先行きの不安感は高まる一方だが、併設店でもパチスロ営業に限った厳しさは同様だ。仕掛けどころを間違えば、今の6号機で想定される粗利水準ではリカバリーが難しくなる。

加えて来年は、スマートパチンコを始めとする次世代遊技機の動きが本格化していく様相を見せており、単にパチスロからパチンコへといった動きを躊躇させる要因が横たわっている。

しかも、少なからずのホールでは、機種構成のバランスが、かなり崩れた状態で、2月のスタートを迎えることになるだろう。すべからく新台調達から運用、売却など、遊技機を巡るあらゆる判断に、これまで以上の慎重さが求められることになりそうだ。

5号機黎明期同様、パチスロ営業を下支えしそうなジャグラーシリーズ。導入済みの6号機ジャグラーも堅調な推移を示している。

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