【識者インタビュー】遊タイムを活かせるかは機種の運用次第/遊タイム機活用

投稿日:2020年11月27日 更新日:

コロナ禍による客離れが続くなか、この年末年始、さらにはこれからの営業をどう生き残っていくか。遊タイム機の活用について、遊技産業未来研究所の中野忠文代表取締役に聞いた。

──遊タイムを活用していくうえで、気を付けなければいけない点はなんでしょう。
後にも先にも「遊タイム機を使う側(ホール)も遊技する側(お客様)も、遊タイムを理解しなければいけない」ということです。遊タイム機が出てきたからといって手放しで稼働が良くなるわけではありません。使う側がしっかり理解して、お客様にどう伝えていくかが重要です。そういったところをケアしていかなければいけません。

──確かに、スタッフも遊タイムを理解していなければ、遊タイムの良さを伝えることはできませんね。
遊タイムに関しては「(発動したのに)スルーした」「発動前に大当たりした」という体験は、機械の仕様上しょうがないことですが、「規定回転数に到達したのに発動しない」というのは絶対的にトラブルにつながります。そういったことは避けなければならないし、そうしなければ遊タイムが良いものだと認知されません。その認知させる役割は私はホールにあると思います。

今、妻板部分に機種情報を掲載している店舗が多いと思いますが、私が見る限りでは内容が不十分と感じます。遊タイムの発動条件はいいのですが、STタイプであればST終了後の遊タイム発動回数も明記してあげる。こうすることで、規定回転数で発動しない、といったトラブルはなくなります。

──遊タイム機を理解することのほかに運用する上で大事なことは。
今の機械はどんどん複雑化していて、1機種ごとに適正な使い方が異なる時代です。そのため、今後ますますシミュレーションが大事になってくるでしょう。P機全体の話になりますが、遊タイム機を含めたP機の扱いがまだまだ辛いです。P機は高い玉粗利で運用されている。

一方、CR機は低い玉粗利で大事に使われています。CR機は今後、随時撤去されていきます。今からP機を育てていくことが重要です。そのためにはお客様の勝ち率を上げる運用を出来るかどうかです。機械に依存する運用から、オペレーションによる運用に変えていかなければいけません。新台への動線づくり、機種同士の相関性づくり、適正な機種運用が必要です。

──遊タイム機は今後も積極的に導入していくほうがいいのでしょうか。
P機を育てていくうえで、一番期待したいのが「遊タイム機」です。しかし、話題性があるからといって何が何でも導入するのは違います。登場する機械がどういう機械で、どういう活かし方をすればいいのか。結果、その機械が自店に適しているのかいないのかをしっかりとした判断をもって使っていく。自店のお客様の指向や年齢層をみて機械選定をしていくことが大事になります。

◆プロフィール
中野忠文(なかの ただふみ)
大手パチンコメーカーへ27年間勤務。在職中は製造・開発・技術/品質管理・経営企画・直営店経営などを経験。現在は遊技産業未来研究所の代表取締役を務める。

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