【レポート】コロナ禍で転換せざるを得ないパチンコ出店戦略

投稿日:2020年7月30日 更新日:

コロナ禍で、これまで新規出店に意欲的であった法人も、既存店の立て直しを優先せざるを得ない状況だ。今後、パチンコホール企業はどのような新規出店戦略を採用し、店舗展開を図っていくのか、そのトレンドを考察する。

減り続ける新規出店

直近のパチンコ出店動向について、㈱矢野経済研究所・主任研究員の高橋羊マネージャーは「2019年度(※2019年4月~2020年3月)の新規出店数は弊社調べで120店舗。パチンコMAXタイプ撤去時期となった2016年以降、出店数は減少を続けている」と話す。

同時に2016年以降は、純粋な新規出店ではなく、「M&A」を含む居抜き物件を買い取る形が主流だ。新規出店に占める居抜き物件の割合は、2007年度が全体の39%だったが、2020年度は90%にまで高まっていると同氏は言う。「M&A」には高射幸性パチスロ機を撤去期限まで使用できるというメリットがあり、このことも最近の居抜き物件ニーズの上昇を後押ししていた。

その上で高橋氏は、今年の展望について「コロナ以前から準備を進めてきた物件が休業要請によってGW前にオープンできなかったため、それらがお盆に向けてオープンしてくる可能性がある。とはいえ、今から新規出店を計画するケースはほぼないであろう。遊技機の動向、ホール経営環境から鑑みて、資金的リスクが大きいことが要因」と見通す。今は「既存店の立て直し」で精一杯のホール企業が大多数を占める。

「G-ONE吉祥寺店」(東京都武蔵野市)。一昨年にM&Aで店舗を取得し本来、ゴールデンウィーク前にオープン予定だったが、1ヶ月後ろ倒しの5月26日にオープンした。6月~7月にかけて新規オープンとなった店舗の多くが、同店と同じようにオープン日がズレ込んだケースと考えられる。

昨今のホールの出店意欲について、㈱遊技産業未来研究所の島田雄一郎取締役副社長は「出店意欲の減退は資金問題が一番大きい。コロナによる休業ダメージの深さもあるが、金融機関がパチンコ店を観る姿勢も変わってきている」と語る。続けて「年度で見ると、パチンコ店の出店が最も盛んな時期はGW前であり本来、このタイミングでオープンする予定だった店舗を除き、2020年下半期は、ほぼ出店はないだろう」と予測した。

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