【コラム】危険な「大丈夫おばさん」 〜女性同士のセクハラは、世代の違いに気をつけろ〜

投稿日:2020年2月25日 更新日:

【間違いだらけの女性活用】
以前「危惧すべきは女性が女性にするセクハラ」というコラムで女性同士のセクハラに触れました。その後MeTooが勃発して声を上げやすくなったものの、女性同士のハラスメントは増えています。

主な理由は
①男性のセクハラより浮上しにくい
②働く女性の、年代の多様化
です。

「転職の面接で40代ぐらいの女性から『結婚の予定は?』と聞かれ…今どきそんな質問されてビックリ!」と語るアラサーの業界女子。

女性同士のセクハラには「うっかり系」と「意図的」があります。うっかり系は、下着のサイズや結婚の有無を質問したり、自分の性体験を吹聴するなどの「会話型」、胸や尻など身体をさわる「接触型」など、「女同士だからいいじゃん」的な気の緩みが起こすもの。

意図的は「彼女は男関係が激しい」と名誉毀損的な噂を流すなどで、女性特有の嫉妬から発生します。「自分がイチバン」じゃないと気が済まない女性はどの年代にもいるもので、そういう女性は女に厳しい反面、男の前では「うふ♪あたし天然なの♡」などとブリブリ装い、それを見た中高年男性が鼻の下を伸ばすので、タチが悪いのも特徴です。

業界で働く女性の年齢層が多様化したのも一因です。同じ女性でも、年代が違うとハラスメントの概念が異なるからです。

私は、ハラスメント防止研修を行う際に、「危険な大丈夫おばさん」という話をします。

男性は自分の言動(女子へのボディタッチや、「彼氏いる?」と質問する事など)について、身近な女性に「これってセクハラかな?」と質問します。

それに対し中高年の女性は「だいじょぶだいじょぶ!女はそんなこと気にしないわよ!」と言ってしまいます。なぜなら中高年女性が若い頃は「それが当たり前」で、昭和・平成はセクハラもパワハラも「どこの職場にもよくある」事でした。

しかし、10も20も30も年下の女性に「自分がハタチの頃はこうだった」は通用しません。個人的な話ですが、私は姉との会話で、ハラスメント的な問題でも姉がハラスメントと捉えない事に驚きます。一見寛容に見えますが、この中高年女性の「寛容さ」が、同性を苦しめる一因です。

逆もあり、若い人が年上に「お局様」などと言えばセクハラです。木下優樹菜さんが身内の上司に「いい年こいたばばあ」「おばたん♡」という暴言メールを送り付け「恫喝した」と問題になって休業に追い込まれましたが、これも女性が女性にするハラスメントの典型です。

各台計数機や社会情勢により働き続ける女性が増加、10代〜50代まで年代が揃った店舗も出始めました。今年6月からパワハラ防止法が施行され(中小企業は2022年〜)、ハラスメントは急速に「してはいけないこと」の認識が高まる中、年代を超えて同一意識を持たせる事が、円滑な組織作りに重要だと感じるのです。

◆著者プロフィール
永澤有希(ながさわ ゆき)
㈱ミチスケジャパン 人材プロデューサー
コンサル企業、パチンコ企業を経て現職。経営者の気持ちもスタッフ心理も理解できる唯一のコンサルタント。厚労省推進PA選出など女性活用や人材育成に定評がある。業界特有のハラス問題も精通しハラスメント防止研修も多数担当。メイクアーティストや予防医学指導士の資格も持ち個々の才能を内外両面から引き出し組織作りを成功に導く。RMTIS接遇メイクエステ協会ラムティス代表理事、メイクスタジオ「ラフレイジュ」主宰。
Mail info@michisuke.com

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