失敗しない売り場プロモーション_57(文=野島崇範/株式会社プラスアルファ専務取締役)
2026年も、お盆休みに対する顧客欲求は、休暇期間が近づくにつれて緩やかに高まり続けました。過去5年間の検索推移を見ても、毎年、お盆休み期間に検索数のピークを迎えています。さらに注目すべきは、お盆に関する顧客欲求の大きさが、ゴールデンウィークと比較して約2倍に達している点です。

本コラムでは繰り返し伝えていますが、現代人の欲求は検索行動に表れます。欲しい、知りたい、行きたい、遊技したい。そうした欲求が生まれた瞬間、現代人は手にしたスマートフォンで検索します。そして、その欲求の強さは検索数となって可視化されます。
例えば、気温が高くなる夏場はアイスを食べたいという欲求が強まり、2025年7月と8月には、それぞれ月間約100万回検索されました。一方、寒さが厳しくなる2025年11月から2026年2月にかけては、月間検索数が約36.8万回まで減少しています。欲求が強ければ検索数は増え、欲求が弱まれば検索数は減るのです。検索データは、お客様の気持ちを映し出す鏡なのです。
「頻度」が差を生む
では、ゴールデンウィーク以上に顧客欲求が高まるお盆商戦で、パチンコ店はどのようにその波を捉えるべきでしょうか。営業時間の案内だけでは集客につながりづらいです。お盆期間9時開店・10時開店と営業時間を打ち出しても、来店を決断する理由にはなりません。重要なのは、お客様が今日はこの店に行こうと思える具体的な来店理由をつくることです。
実際に繁盛店のお盆施策を確認すると、期間全体のスケジュールを事前に告知し、景品入荷、総付景品の配布、屋台の来店、日用品の格安販売会など、さまざまな取り組みを連日展開していました。お客様から見れば、毎日何かがある状態です。一方、集客に苦戦する店舗でも、同様の施策を実施しているケースは少なくありません。しかし、その頻度が限定的で、施策と施策の間に空白日が生まれていました。
繁盛店と低迷店の違いは、施策の種類ではなく、来店理由をつくる「頻度」にあります。顧客欲求が最も高まるお盆期間だからこそ、単発の企画ではなく、毎日来店理由がある売場づくりが求められます。お盆商戦は、期間中の一日一日をどう設計するかで結果が変わるのです。
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◆プロフィール
・野島崇範(のじま たかのり)
1983年三重県生まれ。北海道教育大学卒。全国のホールを年間1,000店舗以上調査し、その中から繁盛店に共通する法則を見つけ出し「伝達力」と定義。「伝達力」調査の分析に基づき、お客様立場の徹底と継続の重要性を、支援先ホールの全スタッフと共有する。また、売り場ランチェスター戦略の第一人者として、科学的に売り場の支援を実施。売り場の書籍「あなたの売り場、太っていませんか?」を発売。


