【GREEN Voice】問われる女性登用 組織に新風吹かせられるか

投稿日:2026年7月28日 更新日:

6月15日に都内で開催された日遊協の通常総会において、役員選任の議案を巡り、ある役員から踏み込んだ質問が投げかけられた。

それは、「役員に女性が一人もいない。もしいい方がいれば、私は退く」といった業界の上層部における多様性の欠如に対し、強い危機感を訴える内容であった。

男性中心の組織図をどこか当然視してしまっていた筆者自身、この率直な苦言にハッとさせられると同時に、旧来の構図が長らく続いてきた業界の意思決定層に対し、極めて本質的な課題を突きつける一石であると感じた。

この問題を考えるにあたり、まずは企業レベルと団体レベルという二つの側面から現状を整理する必要がある。まず個々の企業、とりわけホール経営法人の動向を見ると、女性の登用は発展途上と言わざるを得ない。

日遊協が2023年に公表したダイバーシティアンケート調査結果では、女性正社員の比率が14.6%であるのに対し、労働基準法上の管理監督者層に占める女性の割合はわずか3.1%、各社基準の管理職層で見ても4.2%にとどまっている。

そして、この企業レベルにおける厚みの薄さが、もう一つの側面である「業界団体の役員構成」において、執行部レベルに女性が極めて少ないという結果へと直結している。

しかし歴史を振り返れば、過去には象徴的な一歩を刻んだ先駆者たちが存在する。1995年には日遊協の東京都・関東支部長として若松千容子氏が女性初の支部長(理事)に選任され、2014年には和歌山県遊協の理事長に森口司氏が就任し、全国の都道府県遊協初となる女性トップとして大きな注目を集めた。

こうした歴史がありながら、その後が続かず、現在にいたるまで全国各県組合における女性理事長が再び「ゼロ」に逆戻りしている点には、真摯に向き合う必要があるだろう。

社会的な要請も一段と強まっている。国は労働施策総合推進法や女性活躍推進法などの改正法を成立させ、今年4月からは男女間の賃金差異や女性管理職比率の公表義務を従業員101人以上の企業へと一挙に拡大した。

さらに同法では有効期限が10年間延長され、職場における女性の健康上の特性への配慮やハラスメント対策の強化など、多様な人材が活躍できる就業環境の整備を企業に強く求めている。

これら法的な義務化への対応や、店舗における働きやすさの追求といった就業環境の整備を進めることは、今後の深刻な人材不足を生き抜くために当然の責務である。しかし、総会で質問が投げかけられた本質は、そうした環境整備の先を見据えなければならないという警告だろう。

もちろん、単なる数合わせの登用ではなく、多様な視点が業界の持続的な発展に不可欠であるという本質的な理解が前提だ。

現場の実務を支える人材育成にとどまらず、次代の業界を強力に牽引していくような女性リーダーを見出し、意思決定の場に登用していく積極的な姿勢こそが、各団体や経営トップに求められていることなのかも知れない。

関連記事

-コラム
-