世界情勢の不安により石油価格が高騰し続けている他、昨今の円安による物価高や人件費の高騰などパチンコ業界のみならず、世間一般的にもかなり厳しい状況が続いていると思われる現在ですが、その中で激安を売りに業績を伸ばしている他業種の会社はちらほら聞こえてきたりします。
その中の1つで、スーパーやコンビニなどの小売業者が独自に企画・開発し、自社ブランドとして販売する商品である「PB商品」は激安を売りにする小売業者においては切っても切れない関係があります。
パチンコ業界においても長年PB機は検討を進めており、有名なところではダイナムのごらくシリーズは長らく続くブランドとしてもはや定着しています。機械代の更なる高騰が見えている今だからこそ、PB機について今一度考えてみたいと思います(文=荒井孝太/㈱チャンスメイト 代表取締役)。
■PB(プライベートブランド)機とは?
PBとはプライベートブランドの略称で、日本語では自主企画商品とも呼ばれます。主にユーザーと直接商売を行う川下の小売業者が企画し、製造は外部のメーカーに委託することが一般的です。
一方で、PB機の反対語である一般的なメーカーが自社で企画・開発・製造を行い全国規模で販売するブランドをナショナルブランド(NB)とPBの対義語で使われます。
パチンコ業界で最も有名なPB機は先ほども言及しましたが、ダイナムのごらくシリーズです。このごらくシリーズの殆どは遊技機メーカーが製造開発した機械をダイナム専用に修正した「ダイナムスペック機」と呼ばれるものが殆どです。
これは元々、遊技機メーカーが開発したベースに手を加えるだけで開発が終了し、また製造に関してもオリジナル機種の部材を流用して製造を行うことが可能となるため、従来開発に比べて非常に安価に開発できることが想像つきます。
メーカー視点で見た場合、ベース機があるため開発は非常に手軽に行えますし、PB機開発にあたって事前に購入してもらう台数が確定することが前提の製造開発になりますので、メーカーとしてもその事業単体で見れば決して赤字になることがない事業になります。ホールは自分たち専用の機械が安価に手に入り、メーカーは一定の売上と利益が確保できるというまさにWINWINの内容となっています。
■全くの新台開発も行われていると知っていましたか?
またダイナムは更に一歩前に進んでいます。なんと、完全なオリジナル自社商品も企画・開発・製造を行っているのです。これはPB機として、遊技機メーカーに協力を依頼し、完全に新規で自社で機種開発を行っております。
今年の2月2日にも「eAぷらねっとアポロGO」という台がダイナムグループの店舗へ2,000台導入されております。今現在、新台が発売されても2,000台も売れていない機械が少なからずある中で、そう考えるとこの機械はかなりスゴイことがわかっていただけるかと思います。
■様々なメリット
PBは競合他社が扱えない(中古流通後は別ですが)独自品になりますので、理不尽な価格競争に巻き込まれることはありません。○○社は法人でまとめて台数を購入するので○○円値引かれているみたい…ということは絶対にありえませんし、全てのマージンをカットして製造・開発を行うことが可能です。
そのため、ホール側で上手く主導して開発を行えば、全ての中間マージン等をカットすることで、ユーザーニーズとして直接受け止める結果をダイレクトに商品開発につなげることで、高付加価値商品開発を行えることは想像に難くありません。
◆プロフィール
荒井孝太
㈱チャンスメイト 代表取締役
パチンコメーカー営業、開発を歴任後、遊技機開発会社チャンスメイト(https://chancemate.jp/)を設立。パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、遊技機開発業務の傍ら、ホール向け勉強会や全国ホール団体等の講演会業務など広く引き受ける。



