機種の実力を多角的に評価する「SPI分析」は、従来の感覚的な判断から脱却する手がかりとなります。機種の地力・特性を見抜き、店舗方針に沿った機種選定と入替優先度の判断を促します。
弊社独自の指標「SPI(Slot Performance Index)」は、稼働イメージに偏りがちな従来の感覚的評価から脱却し、収益性や設置の優位性との複合性まで評価・客観比較することで機種の本当の実力を可視化します。
今回の例で総合力を示すSPI分析値を見ると『Lいざ!番長』、『Lかぐや様は告らせたい』、『L東京喰種』が上位。いずれもC値・P値が高水準で、中でも『Lいざ!番長』は高いA値で余剰導入力の余地も示唆されるため、今後の導入や増台検討の価値が高いといえるでしょう。
続く『L東京リベンジャーズ』は低A値ながら一定のC値・P値を持ち、現状で安定した稼働と収益を維持する“堅実型”。『L デビルメイクライ5ST』はP値が突出しており“収益性特化”機種と位置づけられます。
また『Lクレアの秘宝伝 BTver』や『Lアズールレーン』はC値・P値が良好で、A値も高く設置環境に恵まれた“設置優位型”。店舗構成次第では高い効果を発揮する可能性があります。
一方『LBアレックスブライト』は一定以上のC値ですがP値が著しく低く、『L ドルアーガの塔』は逆の構造です。こうした機種は設置面での優位性が稼働性や収益性を補完している可能性はあるものの、その貢献度は限定的と判断され今後の運用や導入に慎重な検討が必要です。
機種の本質を見抜くことは、店舗方針に沿った精度の高い選定と営業判断に繋がります。また特性に応じて設定・販促・設置戦略を見直すことで、低実績機種からも新たな価値を引き出す可能性も生まれます。
運用資源や選択肢が限られる中で、機種の本質を見極める視点が次の一手を導くはずです。
◆プロフィール
中野大輔
㈱メイドインサービス 事業戦略部 部長
大手メーカーで約20年間勤務。開発職・マーケティングの経験を活かし、現職では全国ホール企業の経営/営業支援および複数遊技機メーカーの開発支援に携わる。特にパチスロメーカーの開発支援で実績を上げており、開発戦略参画から製品企画・評価検証まで多岐に活躍。