【コラム】期待外れ?の印象があるLT3.0プラス機は本当に大丈夫なのか?

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2025年7月の基準変更において、パチンコではLT3.0プラスの導入が進み、導入前の話題も相まってか一気に相当な台数が導入されたのは皆さまご承知の通りかと思います。そんな話題をかっさらったLT3.0プラスですが、導入後の状況を見る限り「あれ?」と思った業界従事者の方も少なくないと思います。

その大きな要因の1つが『e東京喰種』の高稼働継続ですね。これには私もびっくりしました。勿論、東京喰種が非常によくできた台であるというのは知っていますが、それにしても…です。そのあたりの考察は各種セミナー等でお話しておりますので、もし機会があればお聞きいただければと存じますが、本日はなぜそうなったか?についても言及したいと思います。

そのヒントではないですが、グリーンべるとの記事にこんなアンケートがありました。
【調査】パチンコLT3.0プラス、その魅力をどう伝えるかが重要に/LT3.0プラスに関す る調査①
【調査】出玉性能、LT突入率に高い期待感/LT3.0プラスに関する調査②

8月と9月に公開された記事ですが、アンケート自体は1回目はLT3.0プラス導入あたりで、2回目はお盆前後ではないでしょうか。そんな詳細アンケートは上記リンクを見ていただくとして、重要なのはLT3.0プラスの知名度とその意欲です。少し記事から抜粋したいと思います。

・LT3.0プラス機を知っていますか?(1回目) 26.6%
・LT3.0プラス機で遊んでみたいですか?(2回目) 41.4%
・LT3.0プラスの特徴で一番期待しているものは?(2回目)
⇒高い出玉性能 40.9%
⇒ラッキートリガーへの突入のしやすさ 33.8%

このアンケート結果に今のLT3.0プラスの問題点が隠されているように思いました。それは、「LT3.0プラスの魅力がユーザーに伝わっていない」ということです。メーカーや開発者の想いとしては、より新しいゲーム性や多種多様なスペックの拡充を狙った結果、LT3.0プラスを満を持してリリースし、KIBUN PACHI-PACHI委員会の新プロジェクト『PACHI-PACHI-7』では、人気YouTuberを起用した広告展開を進めております。しかしながら、その効果は期待されたほどではなく、現時点ではLT3.0プラスが十分に周知されていないのが実情ではないでしょうか。

「高い出玉性能やLT突入率だけにフォーカスされた」結果、多くのユーザーが射幸性疲れを起こしているといえなくもない結果だなと思ったと同時に、ある種ヘビーユーザーだけへの機械提案となったのであれば、現在の供給数は一時的に過剰になったしまった点は否めないかと思います。

そのため、今できることとして、多種多様で様々なスペックがあり、ゲーム性や演出等の拡充が行われてぱちんこが更に面白くなったということを全力で促進していくことが、結果としてLT3.0プラス機の盛り上がりにつながるのではないでしょうか。

出玉や突入率の部分だけにフォーカスするのではなく、ミドルスペック、ライトミドルスペック、甘スペック等々も今までとは違った拡充されたゲーム性を持つ機械を幅広く導入し、それらについて販促展開してくことで、市場が大きく盛り上がっていくことを期待したい一方で、メーカー側もそれらの魅力を一人でも多くのユーザーに届けるという努力をしていただきたいと思います。

◆プロフィール
荒井孝太
㈱チャンスメイト 代表取締役

パチンコメーカー営業、開発を歴任後、遊技機開発会社チャンスメイト(https://chancemate.jp/)を設立。パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、遊技機開発業務の傍ら、ホール向け勉強会や全国ホール団体等の講演会業務など広く引き受ける。

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