今年のお盆休みも暦の形が良く、8月12日を有休にすれば最大9連休という日程でした。過去4年間の実績と比較しながら今年のお盆営業をマクロ的視点で振り返っていきます。
今年のお盆期間(8/9〜8/17)は、前年に比べて稼働.売上ともに好調に推移しました。特に稼働と売上はともに前年比103.0%と、前年を上回る結果となっております(表①)。
一方で、粗利は前年比96.0%、利率は13.4%と、前年よりもやや低下しております。これは、平均設定が前年より高く(1.516)、稼働促進を優先した営業方針によるものと考えられます。この平均設定は過去4年間で最も高くなっています。
直前1ヵ月との稼働比較では上昇率が21.8%と高く、6.5号機が登場した年よりも上昇しました(表②)。 当時と同様、事前に新台の盛り上がりがお盆期間の集客に寄与.最大化できたものと考えられます。
稼働を『射幸タイプ別』シェアで見ると(表③)、『高射幸タイプ』のみ約1.3%上昇しています。ユーザーの多くが高射幸帯に期待して大きな差玉獲得を目指したと推察できます。また『中高射幸』以下の稼働は微下げ、粗利面では『中射幸タイプ』が思ったより抜け、約3.1%シェアが上昇しています。
今年のお盆営業は、出玉感を演出することで集客効果を高めた反面、粗利率には一定の影響が見られ、総合的に動きのある市場が形成されました。
今後ですが、秋は業績が伸び悩む傾向にあり、店舗力が問われる重要な時期です。話題性のある新機種の的確な評価.導入に加え、既存機種の再評価とデータ精査を通じて店舗総合力の最大化が求められます。守りではなく攻めの姿勢で、年末商戦への布石を打ち始めましょう。
◆プロフィール
中野大輔
㈱メイドインサービス 事業戦略部 部長
大手メーカーで約20年間勤務。開発職・マーケティングの経験を活かし、現職では全国ホール企業の経営/営業支援および複数遊技機メーカーの開発支援に携わる。特にパチスロメーカーの開発支援で実績を上げており、開発戦略参画から製品企画・評価検証まで多岐に活躍。