【コラム】大当たり確率1/150前後のパチンコに隠された真の意図とは?

投稿日:2025年9月1日 更新日:

前回のコラムの続きになりますので、まだ前回のコラムをご覧になられていない方は前回の「【コラム】1万円でできることから考えてみる」をご覧ください。

さて、皆様は「MNRS」というワードをご存じでしょうか?

このMNRSとはぱちんこ機におけるスペックを構成する上で、出玉性能に関する数値的な取り決めを示すものです。このMNRSの数値が高ければ高いほど、数値的な出玉性能は高いということです。

これは遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則にて定められた数値ですので、このMNRSはある特定の基準を満たしていないとぱちんこ機を世の中にリリースすることは不可能です。

さて、そんなMNRSの各アルファベットの数字は以下の通りです。

M:作動確率
N:特別電動役物が連続して作動する回数の合計
R:特別電動役物に係る最大入賞数の最大値
S:1個の遊技球が大入賞口に入賞した場合に、獲得する遊技球の数の最大値

という内容になりますが、これを見てもよくわからん!という方が多いかと思いますので、シンプルに内容について書きたいと思います。

M:大当たり確率
N:大当たりラウンド数
R:アタッカーのカウント数
S:アタッカーの賞球数

大雑把に記載しておりますが、概ねこのような内容になっていると思っていただき差し支えありません。そして、このMNRSですが、今現在の規則において「M×N×R×S≦10」という計算式の範囲内にて納めなければなりません。

さて、ここからが本題になります。

MNRSにおいて計算式を満たす場合、10R大当たり出玉1,500発というのが1回の大当たりにおける出玉の最大値であるのは皆さまご承知かと思いますが、実はこれを満たすためには、大当たり確率が1/150が最下限の数値となっております。そのため、10R1,500発大当たりを搭載したい、そして大当たり確率をできるだけ甘くしたい!という場合は、大当たり確率を限りなく1/150に近づけるような形になります。

前回のコラムを公開して以降、SANKYOから『eもののがたり』が大当たり確率約1/150ということが発表され、時を同じくしてDaiichi公式チャンネルにて「うしおととら」版権にて大当たり確率が約1/150のLT機がリリースされると発表になりました。

昨今のハイスペックの連続リリースはメーカー側としても少し思う所があったと思われますし、これから秋(特に11月)というのは1年の中で最も稼働が下がりやすい時期であるのはホール責任者の方であればご承知のことかと思います。

その中で、できるだけ初当たり確率を軽くしながらも、現在の主流である1,500発大当りを活用したLT3.0プラススペックにて、3,000発、4,500発、6,000発、7,500発を構成しようと思った場合、開発のスペック設計としてはどうしても大当たり確率約1/150を狙いたくなるということです。

◆プロフィール
荒井孝太
㈱チャンスメイト 代表取締役

パチンコメーカー営業、開発を歴任後、遊技機開発会社チャンスメイト(https://chancemate.jp/)を設立。パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、遊技機開発業務の傍ら、ホール向け勉強会や全国ホール団体等の講演会業務など広く引き受ける。

関連記事

-コラム
-