想定よりもスロースタートとなったBT機ですが、今後は5号機で人気を博した機種がBT仕様でリリースされていきます。その中で注目機のひとつである『LBクレアの秘宝伝』を評価していきます。
BT機が市場に登場してから1ヵ月ほど経ちますが、想定よりもスロースタートが目立ちます。獲得枚数の面ではAT機に及ばず、ノーマルタイプとしてはボーナス確率が重くなるなど、まだその優位性を見出せていない状況です。しかし、今後登場してくるラインナップを見ると、現行のノーマルタイプと同等のボーナス確率で、獲得枚数が多い機種が控えていますので、BT機に対する評価を出すのはそれら機種が登場してきてからとなりそうです。
今回取り上げる『LBクレアの秘宝伝』はシリーズ6作目で、5号機時代には安定した稼働を見せていた名機です。今作もカスタム要素やパロディー演出が豊富に搭載されているほか、通常時のチャンス目から高確率演出を経由しボーナス当否を見せる流れは、同シリーズを打ってきた方にはお馴染みで、触りやすいと思います。
BTの仕様は、BIG後に必ず突入し、即BAR揃いのボーナスが成立。ボーナス2回セットで最大356枚を獲得することができます。BTのループはありませんが、6号機のノーマルタイムと比べBIG獲得枚数が約100枚多い仕様です。一方、ベースが34Gとなっており、この辺りをユーザーがどう評価するか、注視していきたいポイントです。
設定1のMYは1,920枚で、フル攻略時は出玉率が甘くなる計算ですが、ボーナスフラグの種類が多く、ボーナス成立後の即揃えが難しいため出玉率は市場予測値に落ち着くと見ています。
設定6の勝率は約94%
使い方次第で集客の要に
設定6は出玉率が高く、その勝率は約94%を誇る別格のスペックとなっています。もともと、クレアの秘宝伝シリーズの設定6はボーナス確率、出玉率ともに別格の数値となっており、ユーザーの遊技動機として大きく作用してきました。今作の設定6も5,000枚は射程圏内のため、イベント時などの使い方によっては集客の要となるでしょう。
しかし、ノーマルタイプの設定6の出玉率が高すぎると、平常日にはマイナス要素になりやすいのが懸念材料です。ボーナス終了画面には設定示唆のトロフィーが出現することもありますが、同機にはその出現頻度、時間帯を設定できる店長カスタム機能は非搭載となっています。そのため、低設定が見切られやすいという側面を持っていることも頭にいれておきたいところです。
本機はノーマルタイプとしての出来が非常に良く、飽きずに遊技できる点は注目です。BTループはありませんが、BIGで356枚という出玉ボリュームの印象は良く、現行ノーマルタイプとの違いを実感しやすいです。時間つぶし、ワンチャン狙いのユーザーも取り込めそうです。
BT機の中では液晶搭載の『LBハーレムエース』が最も稼働が高いですが、本機登場以降は本機の方が評価は高くなると考えています。AT機の新台に比べ初動は全国平均で2万枚前後と予想しており、初動は期待できないかもしれませんが、寿命は長くなりバラエティには必ず確保しておきたい機種となります。
最後に導入台数ですが、3~4台設置すると高設定の投入が求められ、利益が残りにくくなります。そのため、薄利で運用するのか、粗利を求めていくのかで導入台数の判断は分かれてくるところです。販売台数は5,000台と限られており、完売必至の状況ですが、導入できれば一定の活躍はしてくれるでしょう。
◆プロフィール
三木 貴史
㈱エスサポート代表取締役
1972年生まれ。97年中央大学商学部卒業後、パチスロ専門店(神奈川県42台)にて勤務。01年〜06年グループ4店舗を統括部長として指揮、在職中より他店舗のコンサルティングにも携わる。この期間、全ての店舗で稼働平均15,000枚を継続。07年に独立し、パチンコ・パチスロホール運営コンサルタントとしてエスサポートを設立。“ホールの知恵袋”として全国どこにでも出張中。社内外を問わず行うセミナーも好評。