【コラム】BT機はスマスロ市場の補完戦力となるか

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スマスロへの入替が進むホール現場で注目を集めるのがBT機です。AT機とノーマル機双方の特徴を備えたこの新機軸のスペックタイプ機が、ホール営業戦略の幅を広げられるかが焦点となります。

5月末時点でスマスロ機の設置比率は約54%、ノーマル機を除いたAT/ART機市場では80.5%を占め、市場がスマスロ中心へ完全に移行したことがうかがえます。ホールは6.5号機やジャグラー以外のS機(設置比率約18%)を計画的にスマスロへ入れ替える必要があり、BT機はその受け皿としても期待されています。

すでに導入されているBT機の販売実績は一部メーカーを除き、予定を下回る結果となりました。ホール側はジャグラー以外のノーマル系列機に対して慎重を期して対応したと考えられます。また、ATタイプやジャグラーの設置比率に大きな変動はなく、その他のノーマル系との入替が中心でした。

導入1週目の平均稼働は、過去のノーマル機と比較しても5機種中3機種が良好な結果で、特に『LB翔べ!ハーレムエース』は2万枚超と注目を集めました。BT機能により500枚以上を確実に獲得できるボーナス性能や、設定1でも出玉率が高い設計(『LBニューパルサーBT』も同様)がユーザーに評価された要因と考えられます。

AT機のような短時間での一撃性と、ノーマル機の安心感を併せ持つBT機はまだ試行錯誤の段階ですが、市場に新たなカテゴリの可能性を示したのではないかと思います。

今後、登場が予定される版権・有名シリーズ機のBT機により、さらなる浸透も期待されます。ただし、設定運用次第で成否が分かれるため、戦略的な運用で市場への受容を高めていくことが重要と言えるでしょう。

◆プロフィール
中野大輔
㈱メイドインサービス 事業戦略部 部長
大手メーカーで約20年間勤務。開発職・マーケティングの経験を活かし、現職では全国ホール企業の経営/営業支援および複数遊技機メーカーの開発支援に携わる。特にパチスロメーカーの開発支援で実績を上げており、開発戦略参画から製品企画・評価検証まで多岐に活躍。

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