令和7年7月7日、東京都内のホールでは朝の開店前から多くのファンが列をなし、真夏の訪れとともに業界の熱気を感じさせる一日となった。パチスロ人気の高さを改めて印象づけるとともに、パチンコ新スペック「LT3.0プラス」対応機の導入初日でもあり、パチンコにも再び注目が集まった。
都内のあるホールのスタッフは「いつものゾロ目日よりも並びは多い。パチスロに向かう客が多いが、LT3.0プラスに対する期待もあるのではないか」と話す。実際、開店後の稼働状況を見ると、パチスロの高稼働はもちろんのこと、パチンコも新台や話題機種を中心に厚い支持を集めていた。
新宿・歌舞伎町エリアでは、大型店を中心に1,000人を超える並びが確認された。開店後は20円パチスロがほぼフル稼働状態となり、パチンコも人気コンテンツを中心に高い稼働を見せた。一部コーナーでは立ち見が発生するほどの盛況ぶりで、都内屈指の激戦区らしい光景が広がった。

マルハン新宿東宝ビル店(都内新宿区)
一方、秋葉原エリアのあるホールでは、低貸しコーナーに多少の空きが見られたものの、20円パチスロは早い段階で満席に。パチンコも複数の有力店舗で高稼働を記録し、特に20~40代の若中年層が目立つ構成となっていた。

ビッグアップル.秋葉原店(都内千代田区)
また、この日、注目を集めたのが《マルハンメガシティ2000蒲田7》のグランドオープンだ。総台数1,007台(パチンコ292台、パチスロ715台)を擁する大型店で、1階がパチンコ、2~3階がパチスロという3フロア構成。11時の開店に向けて約1,300名が列をなし、太陽が照りつけるなか、期待とともに開店を待った。
開店後はパチンコ・パチスロともに満台スタートとなり、壁際には空き台を待つ立ち見客が押し寄せ、店内は終始賑わいを見せた。
・LT3.0プラス始動
パチンコの新スペック「LT3.0プラス」の導入もこの日から本格化。パチスロの新台に目立った大型タイトルがなかったこともあり、多くのホールがLT3.0プラス対応のパチンコ機を導入した。パチスロ偏重が続く市場において、パチンコの新たな流れをつくる契機として注目されている。
LT3.0プラスでは、LT(ラッキートリガー)による出玉の全体比率が従来の2/3以下から4/5以下に緩和されたことで、LT突入率やLT比率の自由度が高まり、より射幸性の高いスペックが設計可能となった。また、チャンスゾーン(CZ)による新たなRUSH突入ルートや、大当たりを重ねることでRUSH(LT)継続率が段階的に上昇するスペックが可能になるなど、従来以上に、出玉性能に加えて遊技体験そのものの幅を広げた設計が実現できる点が特徴だ。
《マルハンメガシティ2000蒲田7》で、LT3.0プラス対応機の『e東京リベンジャーズ』を確保した男性客は、「LT3.0プラスについては詳しく分からないが、今までのパチンコより進化しているようで期待している。これまでのパチンコはスペックがキツく敬遠していたが、『東リベ』は『エヴァ15』のような安定感がありそう。今回はパチスロを捨ててまで確保したので、どんなゲーム性か早く打ってみたい」と話していた。
あるホール関係者も、「パチスロに流れたお客様がパチンコに戻るきっかけになることを期待している。7月、8月は集客に適した季節なので、休眠ユーザーの復活にもつなげていきたい」と意欲を見せた。
LT3.0プラスの本格導入とともに、スマパチ市場は新たな局面を迎えている。今後の稼働推移はもちろん、ユーザーの反応と評価が、夏商戦の行方を大きく左右することになりそうだ。

導入開始となった注目のLT3.0プラス機(※画像は《マルハンメガシティ2000蒲田7》の『e東京リベンジャーズ』コーナー)。